二百九羽 ☆ リュリュエル、恍惚!

「ハニーの言う通りだ!

神にも誰にもわからんというのが本当のところだろう。

ぶは! <異渡りの水鏡>をバッグにバシャバシャ入れとる!?

やめんか! 戻せ!」


「アオニ様♡  少しくらいダメですか?

きゃるん♪とおてて口元に上目づかいでお願いしちゃいます♪」


「俺はばあさん一筋だ!」

「ダーリン♡」

「残念ですぅ〜!」


「ともかく、俺様たちは<異渡りの水鏡>と魂の契約をした守り人ってわけだ。

俺様たちの家でもあるし……

いかん、新しい悪霊除けの護符を施すのを忘れて……」



「ぎゃははは! 見つけたぞ! ラブエル!」

「バクエル! 愛のなぜにこの場所が!?」


「お前の体にバクバクボムをつけてやがったのさ!

そのボムの位置が俺には探知できやがるのさ!

バクバクボムの有効射程圏に入った!

おとなしく消滅されやがれ! バクバク起爆!」


「愛!?

……何も愛が起きないが?」

「バクバク起爆! 起爆! 起爆しない!? なんだってやがる!?」


「これのことか? ボディの修復の際に、俺様が解除しておいたが?」

「俺のバクバクボムを解除しただと!?

そんなことできるわけねぇ! てめぇ、何もんだ!」


「鬼神崩れの鬼人だ。

若いころに少々、機械技師をしてた。お前の技術は程度が低いようだな」

「さすがダーリン♡」


「俺の技術が低いだと!?

ちっ! そんなわけねぇ!

まあいい! 見ろ! 今回は小型のキリングエンジェルオートマタをわんさと連れてきた!

無許可でやがるけどよ!

力づくとしゃれこもうぜ!」


「その天使人形は神話の遺物のはず! 愛のなぜ!?」


「ああ。よくは知らねぇが特級天使数人があれこれしてやがるぜ。

天軍が増強されるぶんにはいいじゃねぇか。

そんなことより、てめぇらは今から消滅だ!」


「エンジェルオートマタか! 最後に参戦した神魔大戦以来だ!

まだこんなものが……いや、新しく製造したのか?

もしも戦うというなら鬼人の俺様たちが相手だ!」

「桃を食べるなら美人のあたしが相手?

じいさまったら、いやん♡」


「ハニー! ジューシーな桃は戦いの後のデザートだ!」


「キンピカセッカン棒! キンキンピカピカ折檻♡」

「妖刀ショーテン丸! 絶頂天国斬!」


「機動力抜群の地上戦に、空を蹴っての空中戦! どんどん倒していきます!

お二人とも、お強い!

天使人形さんたちは苦悶の! いえ、恍惚の表情を浮かべながら、抜け出た擬似魂が昇天しちゃってます!

きっとこの世に未練はないですね!」


「愛の未練解消が愛にかけてすばらしい!」

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