第14話 過去の選択

やっとこれでハッピーエンドにたどり着けた。


これで何回目だろう。これは本当に正しい選択だったのかな。

私がピアノを嫌いになったのはお父さんのせいじゃない。それは外向けの嘘だ。本当の私はピアノが大好きで音楽が大好きな私だ。でも君に出会ってしまったせいですべてが変わってしまった。

               「木下蒼井」

私はその名前が憎らしくてしょうがなかった。私のお父さんには足がない。それは昔、ある男の子をかばい、自分が事故にあったからだ。木下蒼井。それはお父さんがかばったこの名前だったそうだ。私は実際にその子にあったことがなかった。でも初めて出会って名前を聞いたときに何故か私は絶対にこの人がお父さんがかばった子だと感じた。私のお父さんの足を奪ったのにかかわらず、笑顔でヘラヘラしながら「天音さん」と呼んでくる彼が憎たらしくてしょうがなかった。だから私は「そんな人いなくなっちゃえばいいのに」そうつぶやいてしまった。次の日学校に行くと先生が深刻な表情で「落ち着いて聞いて下さい。昨日突然倒れて木下さんがなくなったそうだ」私はそれを聞いた瞬間顔が青ざめていくのを感じた。そこから先生が話していたことなど一つも耳に入ってこなかった。私が彼を殺してしまった。私があんな事言わなければ…。

私は人を殺してしまったのだ。


もう一度  私にチャンスを下さい。

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出来損ないのピアニスト @yuriarare

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