第15話
(AI)
凛が帰った後、俺は明日の準備をしていた。
(俺)
といっても服とスマホの充電くらいだが。
(AI)
そしてそのあと風呂に入り夕飯を食べた後、部屋に戻るとそこには……俺の秘蔵のコレクションがあったのだった。ちなみにそのコレクションというのは巨乳モノである。つまりそういうことだ。そう、整理整頓をしている時に本棚の奥のほうに隠しておいたはずのものが見つかってしまったのだった!なんでぇ!?え?あれぇ!?
(俺)
「まさかあいつ…っ!!」
(AI)
俺は即座に凛を疑い、電話をかけた。そして呼び出し音が鳴った直後、電話が繋がった。
『ん?どうしたのお兄ちゃん?』
「お前……俺の部屋に勝手に入っただろ」
『え?入ってないけど?』
「いや絶対入ってるだろ!」
『うん!だって
(俺)
今日のうちに整理整頓するだろうなーって思ってさ!』
「お前まさかそれを予想してあんなこと――」
あんなこと、というのはつまり二人で遊んでるときのことだ。
『正ッ解!!』
「クソっ…!!嵌められた……!!」
畜生……妹に見られるなんて…!!
(AI)
恥ずかしすぎる……っ!!
『というわけでお兄ちゃん!私のことはいつでも襲っていいよ!!』
「いや襲わねぇよ」
『えーなんでぇ?さっきも色々期待してたくせにー』
「し、してねぇよ!!」
いやまあ少しはしてたけどね!?でも俺は理性で抑えたよ!!偉いでしょ!?俺偉いよね!?ねっ!?
「とにかく、明日来るな。絶対にだぞ!」
『ふふっ、わかった!』
よしこれで大丈夫だな。なんかフラグ立ちそうなセリフだが大丈夫……だろう。多分。
◆◆◆
そして翌日。
「お兄ちゃん!来たよ!!」
「来んなっつっただろーが!!」
朝っぱらから家のインターホンを連打する妹(アイドル)に俺はキレていた。
(俺)
「今日は何の用だ…!?」
「文化祭だよ!!」
「参加しねえって言っただろうが…。」
「そうだね、文化祭には参加しないって言ってた。」
「は?」
文化祭『には』ってどういうことだ?
「文化祭準備に付き合ってもらいます!!」
「はぁ!?嫌だけど!?」
「拒否権は有りません!着いてきなさい!」
「………」
まったく、俺はいつもこいつに振り回されてばっかりだ。
◆◆◆
「疲れた……」
あの後、妹の友達である――つまり企画の参加者及び主催者である子たちと――約半日ぶっ続けで歩かされたのだ。
そしてその子らが今どこにいるかといえばカラオケである。
何でだよ。
「流石に女子五人に俺一人はきつい……」
というような理由から俺は外で一人日に焼かれているのだった。
――そんなとき、ふと、とある少女のことを思い出した。
◆◆◆
あれは一体誰だったのだろうか。
俺の夢に出てきた、見たことのない少女。
「やあ」
「……転校生の人、だっけ。」
「せいかーい。」
名前は…確か――
「神連棗。なつめ、って書いていつきって読む当て字だよ。」
◆◆◆
なんて追想に浸っていると、声をかけられた。
凛たちが戻ってきたのかな、なんてことを思いながら顔を上げる。
「や」
「――!!」
そこにいたのは、いつかの夢で見た少女だった。
(AI)
「久しぶり。」
「え、ああ……」
突然の出来事に頭が追いつかない。何が起きているのかわからない。なぜ彼女がここに?というか夢が現実になった? そんな俺をよそに彼女は話を続ける。
「ふふっ、びっくりしてる?」
「ああ……」
俺は正直にそう答える。
彼女はそんな俺を見て面白そうに笑った。
そして、言った。
(俺)
「協力、してくれない?」
「……何にだ?」
(AI)
「んーとね、ある人を探すのを手伝って欲しくて。」
「ある人……?」
「そ。
(俺)
まあもう『人』じゃないんだけどね。」
(AI)
彼女はそう言って少し悲しそうな顔をした。
(俺)
「そいつは…誰だ?」
「お人好しすぎて自分のことを犠牲にしてまでこの世界を作った神様――守野歩。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます