第3話 反乱
英語の答案が返された。
女性教員が講評する。隆は1問だけ間違えていた。隆の思い込みだった。
「ええっ」
と声を上げると
「小杉君だから、分かってたことにしましょう」
女性教員は満点にしてくれた。
隆は理解に苦しんだ。級友たちの手前、身の置き所に困った。
「後、95点だった人がもう一人いました。谷山君です。だけど、これはカンニングですから」
教員は確信に満ちていた。
隆は立ち上がった。
「谷山はカンニングなんかしてませんよ。今回はほんとに勉強してましたよ。なあ、谷山」
後ろの席を見ると、谷山はうつむいたままだった。
「じゃあ、なんで、小杉君と同じところを間違えたのよ。おかしいでしょ」
授業が終わり、女性教員は不愉快そうに教室を出て行った。よりによって、ひいきにしていた隆の反乱だったからだ。
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