計画

きっかけ

みんなクーラーに浮かれている。

何をそこまで喜んでいるんだよまったく。

お前らには楽しい楽しいプールが今日あるじゃないか。そうギャーギャー騒いでんじゃねえよ。

僕はプールが嫌いなんだ。

泳げないんだよ。

カナヅチなんだ。カナヅチってよりハンマーだよ，は！ん↑！ま！あ↓！......つまんな...心の中で叫んでも意味ないんだけどさ。

うぇ？プールなくなったん？担任の田中先生が教室に伝えにきた。

やりいー↑。

おいおいお前らそんなに落ち込むなよ。

いつもみたいにギャーギャー騒いでろよ。逆に違和感なんですけど。

どうやら雷の予報らしい。

憂鬱な雰囲気の中僕は晴れた空のような心で過ごしていた。

トイレにでも行こっと🎶。

便器の前に立ち止まった時だった。

視界を何かが横切る。ｶｻｯ。背筋が凍ったが一歩めまでは速かった。

急いで廊下に出たらちょうど田中先生がいた。

助けて～～。

田中先生は虫を外に逃した。

カナブンだったらしい。そんなことはどうでもいい。

カナブンだろうがなんだろうが虫は虫。

ビビったこともあり、ちびる寸前。焦って便器の前に立った。

助かった～。

田中先生はその場から立ち去り，おそらく校庭か体育館に行った。

は～，今日は‘いい日‘なんだか‘悪い日‘なんだか。

そう思いながら湯船が熱いので水を足した。

...... ...... 。　　っっはーーざぶんっ。　　ぼぼぼブワーーー。　　やっぱりちょっとなんか...まだ怖いな......。

数日間，快適なクーラーと最大の敵プールの対立の間にいる中，おもしろいことが起きた。

なんと女子のパンツが盗まれたらしい。

ははは。ほれ見たことか。

だが，あっけなく犯人は見つかった。

二組のやつのパンツが盗まれたらしいが，犯人は三組のやつらしい。

僕には関係ないかもしれないし，一年生の時にも当事者とは同じクラスではなかったのだが推理が当たってしまったがために，だいぶ気になってた。

てかパンツ盗まれ事件なんて誰でも気になるに決まってる。

パンツが消えたときにはやっぱり幽霊の仕業だとざわついていた。

僕もそれに乗じてワクワクはした。

だが盗んだ奴が三組と聞いたときには呆れてしまったよ。

噂に聞いたが一人での実行，“思春期さん“による犯行だったらしい。

おいおいおいおい。

設定はどうした設定は。

お尻を触らなければバレるも当然。

幽霊の噂を聞いた時は触る場所が‘おっぱい‘ではなく“おしり“を指定したところは褒めポイントだったのだが，噂通りに実行してないんだからまあバレるわな。

犯人の友人によるとそんなことする奴ではなく大人しく分け隔てなく優しいいい奴だったという。

当の本人はやってないと言うらしいが、カバンの中に証拠が入ってたそうだ。

そんなやつでもやることやっちゃうんだなあとその日一週間はその話題で持ちきりだった。

被害者の顔を見てみたが，なるほど，結構整った顔立ちをしている。意外とケロッとしているもんだ，友達も多いんだろうな...。

おもしろいことも起こるもんだなああぁぁぐぶぶぶぶくぶくぶくーぷはーーー。

けっこう，　慣れてきたぞ，　これなら，　いけるかも，　と，　その時，

　　ーーーキラりんーーー　　　　

ある考えが思いついてしまう。

夜の学校に忍び込めば、プールの練習ができてしまうではないか。

うーーーん、いけるな。とその日に実行した。