第9話
あの面接から2日、俺はドキドキしながら結果を待っていた。
そもそも風道は応募者数が多く、普通なら1週間くらいかかるはずなので今ドキドキしても意味ないところではあるが。
と思っていたら、急に通知音がなった。MEINでもないしゲームの通知でもない。となるとこれは…?
急いでスマホを取り出し確認する。
件名:合否について
本文: 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたびは、弊社の求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。
また、先日はお忙しい中、ご足労いただきましたこと、重ねてお礼申し上げます。
さて、慎重かつ厳正なる選考の結果、このたび貴殿を弊社ライバーとして採用することに決定いたしましたので、ご通知申し上げます。
つきましては、10/14に同期との面会や資料などをお渡ししますので、一度弊社にお越しください。
俺はなぜか達成感を感じ、その場に座り込む。普段ならソファーなどに行くがそれすら忘れて安心した表情でスマホを2度見る。
間違いない。本物だ。
第三部、完!と言いたいところではあるが、俺の人生は始まったばかり。前の世界じゃもう死んでる年だけど。
「ただいま〜…って、え?大知、なんでそこに座ってるの?」
帰ってきたのは七海姉様だった。
「おかえりなさい。なんか安心感で」
「ほんとによくわからないんだけど?!」
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「なるほどね。おめでとう」
「ありがとう」
姉様が帰ってきてから改めてソファに座り直し、状況を説明した。
「じゃあ今日はケーキでも食べる?」
「いや〜、ちょっと前食べたし」
「なら「「ただいま〜」」あ、2人が帰ってきたわ」
姉様が話しかけてたところに神奈と菜音がかえってきた。
「お兄ちゃん、疲れたからお兄ちゃんの上座っていい?」
「うん、いいよ」
マジで妹かわいい。無理。
「なんかいいことあったの?お兄様」
「それがね、事務所に受かったんだよ」
「事務所って、あの言ってたVtuberの?」
「そう」
嬉々として俺は報告をする。家族の顔に泥を塗るようなことにならなくてよかった。
と、俺は思っていたがみんなは違うらしい。
いつもニコニコ元気な神奈はその話を聞いてなんだか落胆しているような表情を見せているし、お淑やかな菜音ですらなにかハイライトが消えている。
「お兄様を守らないと…」ボソッ
「何か言った?」
「いいえ、なにも」
_____
どうも、月乃糸です。
この作品の公開停止前、
”失踪することは物語が複雑怪奇になるまであり得ませんのでご心配なさらず!”
とこの話で書いてたのですがしっかり複雑になって失踪しましたね。
今回はなるべくシンプルに書いていってるつもりなので失踪はしません!!!!多分...
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