第14話
ナノ達が出発した後の親達、村の様子
「本当に済まなかった!」
ナノ達を見送り村長と共に村長の自宅へと向かい、入ったと同時に村長はナノの親2人の方を向き頭を下げてそう言った。
「…村長さん、まずは座って話さねぇか?」
「えぇ、そうね。どうかしら?」
「あ、あぁそうしよう。」
3人は移動し席についた後、村長は再度頭を下げた。
「村長さんよ、あんたは悪くねぇんだ!そんなに頭を下げて謝らないでくれ」
「そうね、それより説明して欲しいわ。どうして私たちが村の畑を管理することになったのかをね」
「あ、あぁそうだな。説明しよう。」
話を聞くとなんでも村長のバカ息子が勝手に書類とハンコを持ち出し勝手に決めてしまったらしい
「わしが知った時にはもう国に受理された後でな...」
「そうだったのか...村長が知ったのはあの商人が来た時か?」
「あぁ、わし宛に来てな?...これじゃ」
渡された書類に2人して見ると確かにそこには受理されたとこが書かれていた。
「わしの管理不足だった。すまん」
「だから謝んなって、起きたことは仕方ねぇんだ」
「そうね...あの子と一緒に行くことが出来ないのは私たちにとってすごく悲しい事だけれど...親離れ子離れするのにちょうど良かったと考えれば...良いのかしらね。」
「いや、俺としちゃまだまだ速いと思うが...」
その時バンッと行き良いよく扉が開かれ村長のバカ息子がへらへらと笑いながら入ってきた。
「お?何で2人がここに居るんだ?あ!さては俺がいい事をしたから頭下げてお礼しに来たんだろ?はははっ!」
「こ、このバカ息子が!」
村長はヘラヘラと笑いながらいばっていたバカ息子の胸ぐらを掴みそう怒鳴った。
「な、なんだよ!こっちはお前ら2人がどうしてもって事であの捨て子を村に置いていてやったんだぞ!?これくらいあっても良いじゃないか!!」
「「ッ...」」
バカ息子の最後の発言にナノの親の2人はビクリとした後少し落ち込みを見せた。
「...あれ、私たち捨てたなんてしていないわよね...。ねぇあなた、私...」
「大丈夫だ!ナノだってんな事思ってねぇさ、ただ旅に出ただけだと思っとけばいい、そうだろ?」
「そうよね...?そう、よね」
ナノは森の中で2人が見つけた。
木下、隠されるように草や土で覆われている中にその子はすやすやと寝ていたのだ。
最初2人共見つけた時は目を疑った。
だがその子をタタが抱えた時、その子が不意に笑ったのに2人して胸を撃ち抜かれてしまい2人して育てることにしたのだ。
勿論それを村長に説明した。
そして、(タタに抱きつきながらニコニコ笑う)ナノに村長も直ぐに許可を出した。
だが村全体が納得した訳ではなかった。
「ここまであのよその子どもを暮らさせてやったんだ!なら!この村の為に尽くすのが当然の事だろ!?なぁ!」
「このっお前はもう黙って部屋にでもいっとれ!」
「...チッ」
舌打ちをしたあとその場を離れていくバカ息子を見送った後村長へまた座り2人に頭を下げた。
「...すまん」
「良いんだ。確かに恩を返すのは当然の事だしよ...」
「えぇそうね、だから村長さんもそんなに謝らないでちょうだい」
「ありがとう」
その後は話を変え、畑の様子や農作業用の物の不備の話などに変わり、話し合いは続いた。
「くそっ!なんだよ俺が何やったってんだ?あそこまで怒るこたァねぇだろ?」
「なーに愚痴ってんだよ?ってかはよ準備しろよ」
部屋へと戻りそう愚痴る村長のバカ息子の元にいつも一緒に居る仲間が窓から顔を出してそう言ってきた。
「あのジジイにちっとな?っとよし、すぐ行くから入口に待っててくれや」
「おぅ!」
それから喋り会う3人を避け家を出る。
「来たな?今日の相手は3日前か?にヤった女だぜ?またいっぱい一緒に楽しもうや」
「あの女か!あいつの怯えを見ながらヤるのは最高なんだよな!...そういえばあのネタは無くしてねぇよな?」
「おいおい、俺がそんな馬鹿なことすることないだろぉ?ちゃんと他の女たちと同じく大事に隠し持ってるぜ?」
「さすがにそうか!」
「「はははっ!!」」
そう笑い言い合いながら2人は目的の家へと歩き去っていった。
ある鍛冶屋にて
「小娘...大丈夫だろうか?」
「親父それ何回言うんだよ!って手ぇ止めろ!そのままだと俺の手を打つぞ!?」
「っ!あぁ悪ぃ悪ぃ.....。大丈夫なのか?」
「だからやりながらそれすんなよ!って危ねぇ!俺の手に恨みでもあるのか!?」
「あ、わざとじゃねぇから怒んな」
「わざとならもっと怒ってるわ!」
「.....。うん。」
「あ痛ぃってぇ!!?」
「あ、すまん」
「謝罪が軽ぃ!おぉぉ...!」
ある井戸の周りにて
「ナノちゃん大丈夫かしら...?」
「心配よね...本当にやってくれたわよねあのバカ」
「私さっきあのバカとその連れが悪い顔をしながら歩いているところを見たわ」
「そうなの?ってそんなのいつもじゃない?」
「それもそうね?」
「それよりナノたん栄養が私はもう切れそうだわ!」
「それは私もよ?ナノちゃんを早く抱きしめたいって体が言ってるもの!...それも考えると本当にやってくれたわよねあのバカ!」
ある家にて
「やっとあの気味わりい奴が居なくなったな!」
「な!清々するよな!...でもいじり相手が居なくなったって意味では勿体ないって感じか?」
「はははっ!確かに!」
「ならよぉ?今度は俺ん家の隣に住んでる奴で遊ぼうぜ?」
「お?遊べそうな奴がいんの?」
「おう!ちょうど良い弄りがいのありそうな奴がな?」
「ははっ!そりゃいい!んじゃあそいつで遊ぶことにするか」
そして、それらを聞いていた村から離れた位置にいる精霊は薄く笑う。
「ふふ...ナノに悪影響を与えそうなぁ
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