第13話
ゴトゴトと馬車が揺れ動く
「あぁ…精霊姫様が2人もっ!これは夢なの?いや現実よね!あら、私なんか涙出てきたわ?」
「母様!ここっ!ここ空いていますよ!?」
「ナノ〜?私の膝の上はどうかなぁ?」
「ん、痛くない」
「あぁー!母様ぁ!この風精霊めぇ…」
エルファが泣きながら馬車を動かす中、馬車の振動で参ってしまったナノを持ち上げ自身の膝元に置いた風の精霊姫、それに対して羨ましそうに妬ましそうに風の精霊姫を睨むアウネ
「それにしてもあれね、あんなに村の人達がナノちゃんの親を村に引き留めようとするなんてね?…ナノちゃんには出ていけーってしてたくせによ?ほんっと怒りが湧いてくるわ!」
「気にしない」
「っ!?…もう、良い?ナノちゃん子どもは別に我慢しなくても良いのよ、泣きたくなったら泣く、嬉しかったら笑う、我儘だってもちろん言ってもいいの!子どもは少なくともそれをする権利はあるものよ?」
「…。」
「ふぅ…村が違かったら、いえ…違かったとしても多分変わらなかったでしょうね」
「そもそも!あんな害虫以下の者が多く居るところに母様が居たのがおかしかったのでは?」
「いやぁそうとも言えないよ?村長さんも含めた少数の大人たちはナノを可愛がってて守っていたみたいだしねぇ?」
ここで明かされる親が同行してない理由、なんと村の人達が親を引き止めてしまい逆にナノを村から追い出すように手配されてしたのだ!親もびっくり私もびっくりだ!ついでにその他もびっくり!
そして村を出る直前に知った親はそれを計画しただろう人達に怒りを感じながらもぼーっとするナノに一緒に行けないことを謝りお金を渡してエルファ達に事情説明、こうしていきなりだがナノと護衛を入れた初めての旅?が始まったのだ。
「まぁ良いじゃねぇか!馬車と馬を無料で貰えたんだからな!ハハハッ!」
「笑い事じゃないですよ!ナノちゃんは僕達が責任をもって護衛するからね!」
「にしてもナノ!前髪ちっと邪魔じゃねぇのか?ここはもう村じゃねぇ敵がわんさかいる場所だ!そんな視界を狭める事してると危ねぇぞ」
「あらダン?ナノちゃんを脅すなんていい度胸ね?覚悟はいいかしら?」
「いやいや!脅したつもりないんだが!?」
と、その時商人のカシさんが休憩の提案をしてきた。
「ふむ、そろそろここらで少し休憩しましょうか」
「さんせー!」
「分かりました。そうだ、カシさんも冷たい水飲みますか?」
「良いのですか?ではお言葉に甘えていただきます。」
「母様!私の体e水を!」
「え?」
「水の精霊姫?体液はないんじゃないかなぁ?それと目が怖いよ?」
「あ、ナノちゃんの引き顔可愛い…」
「はぅあ!母様の引き顔!」
「ダメだこいつ…。」
「アルク、俺にも水くれ」
アルクさんから水をもらい一息つくナノ、さて息を吐きながら空を眺めるナノの思考を覗き見てみましょう。
「っとナノちゃん!一息ついたし少し話す練習しよっか」
「ん!(あっ陽キャオーラが!やめて!私が砂になっちゃう!サラサラしちゃうよ!?いやまぁ母さんにこれを機に人と少しでも話せるようになりなさいって言われてるし頑張るんだけど!…ちら?オーラがガガ!Hey Siri!人と話す!克服で検索して!…無理か!まぁ対応されたとしてもそれができるかだけどな!?もし地道に頑張りましょう!とかだったり慣れろ☆とかだったら俺ア、ハイってなるな!ってずいずい笑顔で近ずいてくるなぁ!うぉー!エルファバリアァー!エルファの盾を召喚!私は陽キャから隠れて回復!主に精神的に!!)」
「へ!?な、ナノちゃん?なんで私の後ろに隠れるのかしら?」
「ねぇエルファ、なんで私は逃げられちゃったの?もしかして…嫌われてる?」
「いえカナ、多分これ嫌ってるんじゃなくてあなたのその近い距離感に対して怖がってるだけかと」
「確かにカナは初めましての人に対しても距離感バクってるもんな!それで勘違いする男がたまにd「ダンは黙ろうね〜」イギャァァ!目がァァ!!?」
「口止めに目潰しですか…あの者やりますね」
「いやぁ痛そうだねぇ彼、観てる側としては面白いよぉ」
「いやはや賑やかで良いですね」
それから旅を再開した。
道中何度かダンの目が潰される以外特になく問題なく2日が過ぎ無事に王都へたどり着くのだった。
「俺のポーションが…」
「ダンが悪いのよ?」
「一言二言余計なんですよダンは」
「どんまいです。」
「俺のパーティーこんなに辛辣だったか?」
エルファに抱っこされながらほぁーっと王都を眺めているナノの後ろでそんな会話を商人のカシさんと別れたあとに、繰り広げつつある建物の前についた。
「冒険者、ぎると!(おぉ!!ここがあのやたら主人公がなんか登録する冒険者ギルド!そして!やたら最初なんかガラが悪い奴らに絡まれるか期待するそんな場所かぁ!?え!?今から入れる保険があるって!?そんな保険あんのか!?知らん!何言ってるお前って?それこそ知らん!!わいもテンション上がってて何言ってんのかんかんねぇんだわ!HAHAHA!)」
「ナノちゃんぎるとじゃなくてギルドよ、それとダン?早く立って、そんな場所で四つん這いになられると行き来する人の邪魔でしかないわよ?」
「無視して行きます?」
「受付行ってくるね!」
「なんかお前ら本当に俺に冷たくね!?しまいにゃ泣くぞ!?」
ガバッと起き抗議するダンを置き去りにしナノを入れた4人は冒険者ギルドの中へと入っていった。
「こんなん泣きますわ…!っておい待て俺を置いてくなよ!?」
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