病気の幼馴染を助けようとしたら英雄扱いされていた件
Kの一族
第1話 突然訪れた絶望と僅かな希望
『お子さんは退形成性星細胞腫と言う病気です。』俺の彼女、桜木こころが突然倒れ彼女のお母さん、桜木咲夜さんと救急車で病院に行ったところ医者から意味のわからない病名を告げられた。
詳しい内容はわからないがはっきりとわかったのは彼女が治療を受けられないと死ぬと言うことだけだった。
「うちにはそんなお金ないよぉぉ」「だからって見捨てると言うのか」桜木家はその後阿鼻叫喚の地獄絵図だったそうだ。
元から平均的な家庭で裕福とは言えない暮らしをしていた桜木家に突然娘が死の病になると言う不幸が降ってきて、しかもその病気を確実に治すにはアメリカの大学病院で1000万円を払い、治療を受けないといけないとまで医者に宣告されてしまっていたからだ。
この件に関しては俺、愛田春輝の家族の空気も絶望的に下げ切っていた。
と言うのも元から親同士がかなり仲が良く頻繁に夕飯を共に食べたりしているからだ。しかもその子供同士が付き合っているとなると家族ぐるみで仲良くなるのも自然だろう。
「うちにも支援できるほどの金なんてないぞ」悲観的な顔をして呟いているのは俺の父、愛田智樹だ。
母は桜木家に行ってこころの両親を落ち着かせているらしい。彼らは娘を救うため内臓を売るとまで行っていたそうだ。
俺は永遠に続くと思っていた日々が突然失われた絶望で寝続けていた。
「今何時だ」
体が空腹感に満ちていて取り敢えず何か口に入れようと起き上がるとスマホに通知が何件かきていた。ほとんどは友達からの心配していると言った旨のメッセージだった。しかし一件変わったメッセージが来ていた。
「誰がメールなんか」
今時のやりとりといえばインスタかLINEかのどちらかだ。それなのにメールとは。
「は!?まじかよ」
なんとそれは半年程前こころから賞賛の嵐を浴びて応募することを決めた小説が大賞を取ったと言うメールだった。しかも賞金額は300万円。金がなければ稼げばいい。幸いにも神様はいろいろな才能を与えてくれているのだから。俺はなんとしても1000万用意することを1人誓った。
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