第5話 極秘
訓練終了後、進次郎が目を覚ます前。
「今日で終わりだな」
流石朝霞列寺の息子だと言える、あれほどの訓練を1日でこなすとは軍人の訓練量の倍はある筈なのに、その後涼しい顔で私の訓練に参加している。
だからこそ持ってる異能以上に特異な存在と言えるのだからな。
「どうだった」
「うわっ!ビックリしたじゃないですか」
振り返ると朝霞列寺が立っていた。
「火蓮大佐もそんな一面があるんだな」
一気に火蓮の顔が真っ赤になる。
「今のは忘れてください!」
「分かった分かった、それでどうだった進次郎は」
「あーはい、非常に優秀だと思いますよ、純粋な力だけならそこら辺の士官クラスより強いと思います、それよりあの子は私に異能を二つしか使っていなかったのには理由があるんですか?」
気になっていた、どうして異能を二つしか発動していなかったのか、コピーしている異能がないのかそれとも既に五つ発動していたのか非常に気掛かりだった。
「あ〜アイツは勝手に発動し続ける異能を三つ既に持ってるんだ、だから任意で発動できる異能を二つまでしか発動出来ない、それに任意で発動する異能だとしても一時間はその異能が発動している判定になる、だからアイツは二つしか異能を使ってないように見えている」
確か書類に書いてあったなそんな弱点があると。
「そうですかスッキリしました、確かにそうじゃなければもしかしたら私の方が負けていたかもしれません」
「では引き続き頼むよ」
「えっ?」
何を言っているのか分からない。
「ほらこの通り辞令で今日から君は一年一組の担当教官に任命された、あっついでに言うが一年一組は進次郎がいるクラスだ」
なんだと!?、確かにこれは軍の人事部からの異動の辞令だ。
「休暇中だけだと言ったじゃないですか!騙しましたね!、私を貴方のご子息の訓練に休暇中に付き合わせてその間にあなたは私の異動を直談判でもしたんですか!!!」
「だってーそんな事言われたってー僕は騙してないしー知りませんよーだ」
ガタイのいいスキンヘッドのおっさんが可愛こぶって体を横に揺さぶっている姿は誰が見てもムカつくしキモい状態であった。
「その動きやめてくれませんか!」
「まあまあ落ち着いて」
「誰がこれを見て落ち着いていられるんですか!!!!」
今の自分の顔は見なくても分かる血管が浮き出るぐらいに怒っている顔だ。
だが急に列寺の顔が真剣な顔つきになった。
「なんで君みたいな階級の高い人を教官にしたかなんて、分かるだろ少し考えれば」
私を教官にした理由?大佐は相当な理由じゃなければ異動させられるような事はないはずだ、一年一組…進次郎が在籍するクラス…進次郎…………まさか!。
「その顔は気づいたみたいだな、進次郎がいた研究所の奴らの残党がつい最近見つかった」
「そいつは捕まって」
「ない、恐らくだが研究所を潰したのが五年前だ、今になって動き出したのならもしかすると前よりも巨大で悪趣味な組織になっているもしくはその組織がバックにいるはずだ、そして残党を見つけた場所は元々あった研究所の跡地だ、何かを隠していた可能性がある今頃になって探し始めたなら次は進次郎が狙われる可能性が高い、それで上層部はお前に極秘の護衛任務を与えた、この意味分かるな」
もし狙われているとしたら進次郎に何か他にあの研究所の秘密らしい何かを隠している可能性がある。
「はい!」
そしてその場は解散したが火蓮はからかわれた事を指摘しようとした瞬間何かを察したのか列寺はその場から猛スピードで消えていった。
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