33:決意表明。
フォン・ダン・ショコラいわく、お手伝いはその時の気分で誰がするか決めるそうだ。
待ってほしい、三人(匹?)ともしたくなかったらどうする気なんだろう?
まぁ、なんとかなるとは思うけども。
三人ともに嫌とか言われたら、本気で凹むかもしれない。
「いやはないよー! るゔぃちゃんのちかくにいるのすきだもん」
ナニコレ、抱きしめていいですか? いいよね?
よし、抱きしめよう。
「きゃー! おむねふかふかー!」
「……エロガキが」
ショコラを抱きしめていたら、胸に顔を埋めてパフパフしてきた。可愛いから放置してたけど、どうやら魔界のマナー的にアウトだったらしい。
魔王がショコラの頭を鷲掴みにして持ち上げて、何かを言い聞かせていたから、たぶんそういうことみたい。
「はぁい。ごめんなさい」
「ん」
「「キャウン!」」
魔王、幼い子を床に投げ捨てるでないよ。
ショコラが衝撃でケルベロスに戻っちゃったじゃん。まだ愛でていたかったのに。
しゃがみ込んでよしよしと三頭を撫でていると、上から物凄く低い声が降ってきた。
「…………失敗した」
「へ? 何を?」
「なんでもない。気にするな」
魔王がプイッとそっぽを向いて黙々とストックを出し始めたので、片付けを再開した。
「これはー?」
「一番下の段にお願いね」
「はーい」
フォンがまた出てきて手伝ってくれて早めに終わったので、本当に助かった。
「ありがとう、フォン!」
「えへへ」
人型になったフォン・ダン・ショコラには棚の上の方に手が届かなかったので、ストックが増えだしたら三段程度の階段型踏み台を用意することにした。
今はまだ中段あたりまでで間に合っているから。
また早めにいろいろと買い揃えていかないと。
そして、魔王の胃袋を陥落させるのだっ!
◆◆◆◆◆
片付けを終わらせたミネルヴァが、何やら考え込んだあとグッと拳を握った。
「よし、これで魔王の胃袋を陥落させて、安心安全ウハウハ計画が実行できるわね」
「「わふぅ!(できるぅー!)」」
「…………」
横に俺がいることを忘れているのか?
それとも別の魔王か?
いや、どう考えても魔王は俺だけだな。
ん、やっぱりコイツらは面白いな。
もう少し頻繁に来れるようにするか。
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