3月29日 どっちが強い?

 みなさま、こんばんは。

 生きています、宮草です。


 さきほど、兄が帰ってきました。


 家族そろって、居間でくつろいでいました。兄、手近にあった図鑑を広げて、私にいろいろと聞いてきます。鳥好きな私の影響を受けて、兄もわりと鳥に興味を持っているようです。


「サシバって何?」


「タカの仲間やね」


「ふーん。サシバとチュウヒって、どっちが強い?」


「……うーん、互角かな」


「じゃあ、サシバとトビは?」


「サシバやね」


「トビ、強くないの? よく人のアイスとか持って行くやん」


「トビはタカの中では最弱やね。人の食べ物をらないと生きていけないようなやつなんで」


「じゃあ、タカの中ではなにが一番強いん?」


「……イヌワシかな」


「イヌワシ? オオワシじゃなくて?」


「オオワシも強いけど……。イヌワシのほうが強いかな」


 テキトーに言ってるわけじゃないですよ? オオワシのほうがイヌワシよりも大きいですが、オオワシはどちらかと言えば、氷上で死肉をあさっている印象があるので。山の中でときに小鹿さえ襲うイヌワシのほうが、テクニック的には上かなと思いました(あくまで主観です)。


「じゃあ、モズが何羽いればイヌワシに勝てる?」


「……(考え中)……100羽くらいかな?」


「モズ100羽いれば、イヌワシに勝てるん!?」


「…………ギリギリ」


「じゃあ、モズとヒヨドリはどっちが強い?」


「ヒヨドリのほうが威張ってるけど、本気を出せばモズが強い」


「モズとカモメは?」


「カモメ。カモメは海のギャングだから。ハクチョウを血祭りにすることもあるらしい(※どこかで聞いたが真偽は不明)」


「カモメ、ハクチョウより強いんか!? じゃあ、フクロウは?」


「フクロウは夜の支配者だから。夜なら最強」


「ふーん。逆に一番弱いやつは何なん?」


「……うーん、ツバメかな」


「ツバメ!? 素速いけどなぁ。素速さに特化したから、防御力がないのか」


「人のそばでしか生きられないようなやつなんで」


「じゃあ、ツバメとスズメはどっちが強い?」


「スズメやな」


 ――こんな感じで、意味のない話で盛り上がっていましたね。


 まぁ、生物学的に言うと、生物に強いとか弱いとか、ないんですけどね。現代まで生き残ってきたってことは、みんなそれぞれの戦略で、今のところ成功しているというわけなんで。強いから生き残れるわけじゃないのは、かつて恐竜がすでに証明してくれているので。


 それはさておき。兄って、しゃべり上手だなと思います。私は口下手なので、わりと聞き役に回りがちです。話題の広げ方がわからない。兄は図鑑ひとつでここまで話を盛り上げられるので、すごいなと感心しますね。内容はさておき。

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