9 買いたい物がある店
こんにちは。
職場での雑談で、一緒に働いている方が、アウトフィット作家さんだと知った。
アウトフィットとは、人間以外の洋服というか、主にお人形の洋服の事らしい。
私もかなり昔に作っていたことがあって。
小さいから、作業スペースはそこまで広くなくていいので、その点では楽なのだけれど、とにかく細かくて途方に暮れることがある。
あと、もうちょっと腕を曲げてくれたら着せられるのに……とか、人形の可動域の問題もあったりして、人の洋服を作る時とはまた別の苦労があって大変なのだ。
そんなアウトフィット作家の彼女は、私同様に生地にはこだわるがあるそうで、特にニット生地を販売している店が少なくて困っているらしい。分かるわぁ~と相づちを打ってしまう。
ほんと、そういう既製品に使われていそうな生地ってなかなか売っていなんですよね。売っていても選択肢が少ない。
で、生地屋さん談義になったのですが、どこで買うの?という話になり、まずはどこで買うか、よりも超有名の某生地屋さんは、欲しいものが全く置いていないという意見で盛り上がってしまった。
私だけが思っているのかとおもっていたら、同じように感じている人が……しかも、私と同じくらい強く思っている人がいるんだと知って、笑ってしまった。
やっぱり、洋裁をやっている人は同じ事を思うんだなぁ~と。
本当にあれだけのテナントの広さとアイテム数があって、欲しいものがほぼ皆無ってすごいんですよね……。まぁそれは言い過ぎかもしれませんが、知名度とアイテム数に期待をして行くと、がっかりさせられることが多くて。
私がオススメしたのは、京都の老舗店。
ここは、子供の新学期用の生地からプロしか使わない様な高級生地や、金襴などの特殊生地も置いてあるお店で、行けば何かしら買ってしまうお店なのです。気が付いていなかった欲しいものを見つけてしまうというか。欲しいものだらけなんですよ。
あと、どの店員さんも布を着る技術が確かで上手。生地の目にそってまっすぐに切ってくれるから無駄が無い。
これって、お店のプライドでもあるし、レベルそのものなんですよ。テーマパークのキャストの方々が素晴らしいのと同じような感じ。どこをとってもプロの技。
そういう誇りを持って働いている方々がいるお店は、陳列にしても、買いやすいように工夫がされていたり、本当に気持ちよく買い物が出来るんです。そういうところが、気が付いていなかった欲しいものを見つけて、ついつい買ってしまう要因なんでしょうね。
全ては細部に宿るものなんですね。見えないところに、大切なものは隠れている。
私の物作りもそうありたいと思っています。
手に取った人が、自分でも気が付かなかった需要を感じてくれるような。使う人の事を考えながら心を込めるって、そう言う事なんだと思います。
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