魅了

「もっとパンチの練習とかすればよかったなー」なんて考えていた。私は悲しかった。涙と鼻水、そして赤黒い血でぐじゃぐじゃになった顔のまま「殺すなら早く殺せよ」なんてカッコつけていた。もう死ぬんだなーって思った時に先生が来たんだ。「あのー病院てどこですぅ」酔っぱらっていたが私より100倍強かった。「俺ぇのパンチはぁ大砲だぜぇ」そう言ってあいつらを殴った。人がボウリングのピンのように飛んでった。そうして私は助けられたんだ。ちょうど2年前くらい前か。彼女は月の向こうを見ながら言った。「なんか君にいろいろ言ったら落ち着いたよ。ありがとね後輩。でも私は先生の一番弟子だ。私は今よりもっと努力するだから今だけだぞ。私に勝てるのは」月明かりに照らされた先輩の笑顔は俺の心を射抜くには十二分に美しかった。

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