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金曜日
総務部に所属している沢山の人達が、7月中旬に入社をした元気さんと8月1日に入社をした私の歓迎会を開いてくれた。
「総務部、凄い人数ですよね?」
隣に座っていた”初めまして”の男の人に聞くと、男の人は苦笑いで教えてくれた。
「増田グループのほとんどの決裁が増田ホールディングスの総務部に上がってくるからね。
各グループ会社でちゃんと綺麗になってるけど、一旦総務部でも確認してるんだ。」
「話には聞きました。
私が担当するのは備品の発注とか契約書の保管とか簡単なことばっかりなので、他の人達は大変そうですよね。」
「グループ会社が沢山あるから本当に大変で。
それに全部期日も迫ってるものばっかりだしね。
あと・・・」
男の人が言いにくそうに私のことを見た。
「国光さんのお父さんがいなくなってからは本気で大変過ぎて。」
「私のお父さんですか?」
「重要度が高いものは全て国光さんのお父さんが担当してくれてたんだよね。
それを今は全員で回してるからさ。」
「お父さん、“決裁欄にポンポン判子を押すだけの仕事”って言ってましたよ?」
「うん、でもそれがめちゃくちゃ大変な仕事なんだよね。」
男の人が困ったように笑った時、「どうも!」と元気な声がして。
見てみると元気さんが瓶ビールを片手に男の人の隣に座った。
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