004

 そして純貴族(か、どうかはまだ解らんが)が、寿命の半分を使って得る奴隷と言えばだ。


「俺はお前から対価を得ている。そうだよな?」


「……お前なんて……あなた、と呼べ、と言う意味ですか?」


 ポッと頬を染めて。可愛いんだ。それは解る。


「だけど話が進まねーんだよ。ルシフ・プルトエル。質問に答えろ!」


「……あなた、と呼べはいいんですよね?」


「ああもう!!なんでもいいから質問に答えろ!!」


「……ですからあなたと呼ぶ事に……!?」


 咄嗟も手伝ってアイアンクローをかました。話を進める手段がこれしか浮かばなかったからしょうがない。


「いい加減にしろ。俺はとっても苛立ってんだ。俺の質問にちゃんと答えろ」


「……!!…………!!………………!!!!………~~!!」


 アイアンクローのおかげで表情が解らん状態になったが、超痛がっているのは解った。だって俺のアイアンクローの腕をパンパン叩いているんだもん。タップしているんだコレ。


「それは質問に真摯に答えると言う意思表示か?そうなら腕を一回叩け」


「……!!~~~~………!!!~~………!!!!………!!!!!」


 パシ、と一回叩いた。


「おうそうだ、この際だから言っておくが、あなたは駄目だ。なんか収拾付かなくなりそうだから。だから他の呼び名にしろ。俺の名前は相沢 凱斗だ。それは知っているよな。カイトでも何でもいいぞ。解ったら腕を一回叩け」


「……!!!!~~………~………!!!!!!~………!!!!………!!!!!」


 パシ、と一回叩いた。やっぱこう言うのは最初の躾が肝心だ。


 ともあれ、解ったと言う事なのでアイアンクローを解除する。途端にべしゃっと硬い地面に倒れた。


「……痛いです旦那様……だけどこれは旦那様なりの愛情表現と解釈してもいいんですか?」


 涙目でこめかみを擦りながら。布の服は防御力が全くないので、おかげで太腿から上が捲れてバッチシ下着が見えていた。


「……黒、か」


「……何がですか?」


 いや、パンツの色が。とは流石に言えず。しかしこんな成りでパンツが黒のレースとか。だったら他の服も買ったらよかろうものだが。


「いや、まあ、下着が見えているぞ。服を直せ」


「……ここは私と旦那様しかいないので構わないのでは?」


「そうだけど、理性がヤバくなるから直せ。あと、旦那様はやめろと言った筈だが」


「……あなた呼びをやめろ、と言われたのですが。あとは何でもいいと仰いました」


 着衣の乱れを直しながら突っ込まれた。確かにあなた呼びをやめろとは言ったな。旦那様呼びをやめろとは言っていなかったな。そしてカイトでも何でもいいと確かに言ったな。


「……ま、まあ、いいよそれで。だが、質問には答えてもらうぞ。俺はお前から対価を得ている。そうだな?」


 凄んで質問した。またおかしな方向に持って行かれちゃ困るからだ。流石にルシフは青い顔になって頷いた。

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