二人を応援したくなるお話

中華世界を知り尽くしている作者様が、その知識を余すところなく生かして構築された世界観が素晴らしく、今回メインで登場する颱と浩という二つの国の輪郭を見事に表現されています。
作中に登場する詩や曲、その他細かい部分に至るまでこだわりが感じられます。

物語は“抜山虎女”と称されるほどの勇ましい女性である皓月が、おしとやかで美しい異父妹の代わりに浩の皇太子の元へ嫁いだところから始まりますが、ただ『振り』をするだけで終わらないのが彼女の強いところ。
どんな逆境にも屈することなく、覚悟を決めて前を向く皓月は、皇太子の心だけではなく読者の心も鷲掴みにすることでしょう。
あとめちゃ強い。いろんな意味で。

また、巻二を読んでから改めて読み返すと、色々新たに気づかされることもあり、
この物語がいかに深く作り込まれているかを感じることができます。
読んでいくうちに、二人の恋を応援したくなるお話です。

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