前のエピソード――第9話　パンドラの箱

　ジャージは神社内を探索した。⛩

　六英堂 - 1977年（昭和52年）に神戸市布引から現在地に移築される。東京・丸の内にあった岩倉具視邸の一部で、岩倉具視、三條実美、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、伊藤博文の六英傑が度々会合を行っていたことから名付けられた。1883年（明治16年）に岩倉が病臥中、明治天皇が行幸された部屋と伝えられる。

　ジャージは西宮を探索した。南西に向かった。　　

　不気味な洋館を見つけた。弾正瀑は館の名前が六英堂だと教えてくれた。

　六英堂は古びた洋館で、その壁には歴史と謎が込められていた。ジャージはウイルスの脅威にさらされながらも、堂内に潜む秘密を解明するために奮闘する。彼の唯一の味方は、薬学の知識を駆使して暗闇の中で見つけた睡眠薬だった。だが、次第に狂気が彼を襲い、時間と共に彼の姿はミイラのように変わっていく。

　堂内には解離した記憶の断片が漂い、ジャージは自らの過去と向き合いながら隣人たちとの関係も次第に明らかになっていく。誰が信じられる存在であり、誰が狂気に囚われた存在なのか、読者は想像と真実の狭間で揺れ動くことになるだろう。

　壁に刻まれた六英堂の歴史が、登場人物たちの宿命と交錯し、物語は深層心理の迷路へと進む。最後に明かされる真実は、読者の予想を裏切り、サイコスリラーの興奮を最高潮に引き立てることだろう。