俳句50:命色のサングラスの世界かな

命色のサングラスの世界かな


季語:サングラス



 戦争や命を詠んだ句も多く見るかけるが、私にはまだまだ技量不足で、身の丈に合っていない。しかし、現在までの力量を残す為の挑戦した句。


 戦争がテーマとなれば、犠牲となる側の目線に立った句が多く、今の私では類想しか出てこない。それならば逆の目線から見た世界観の方が、発想としては良いのかもしれない。


 命を落とさせる側の立場では、世界ははどのように見えているのだろうか? 大義名分の前に命とは些細なものであり、軽視されるものなのか? それとも苦渋の決断であるのだろうか?


 比喩はまだまだ難しい。とうやっても陳腐や軽いものになるだろうから、シンプルに「命」色と表現した。命色のサングラスを掛ければ、当然「命」は見えなくなる。血の流れている人も、ロボットも同じ。使い捨ての消耗品なのかもしれない。



 俳句としては、色を意識した。抽象的な「命色」としたが、詠み手の想像の色で良いと思う。そして、サングラスを掛けることで、生命力を消えた世界が広がる。そんな色や視点の変化を意識した。


 季語はサングラス。日本を舞台とするならば「命色の色眼鏡の世界かな」になるかもしれない。


 十七音にまとめたが、六六五の十七音。五七五にするならば「サングラス命の色の消ゆ世界」とも出来るが、リズムを崩すことを狙って六六五としてみた。

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