第21話
もちろん王都外の視察にも出向いたり、野盗の討伐にも積極的に参加したわ。第二騎士団の中でも私の婚約破棄について触れる事も無くなって本当に平和に過ごしていたの。
婚約破棄をした当初は他の騎士達にからかわれていたわ。行き遅れだと馬鹿にもされ、女だからと陰口を言う人もいた。けれど私は言い返す事無く仕事に取り組み、率先して辛い仕事をこなしてきたわ。
騎士の仕事は実力主義。私が仕事にのめり込んでいく間に私を馬鹿にしていた周囲も見方を変えるようになっていったの。
あれからダイアンはというと、私と婚約破棄をしてすぐにアンネリア嬢と結婚したわ。男爵家はアンネリア嬢が様々な所で問題を起こしていた影響で結婚式の費用が出せず、私とダイアンの結婚式の準備した物をそのまま使うことになったようだ。
本人は不満だったようだが、こればかりは仕方がない。
式の後、彼女はすぐに仕事を辞めて夫人の元で勉強している。まぁ、元文官だったのでそこそこに領地の勉強は出来ると思う。ダイアンはというと、娼婦のような女に騙された馬鹿な男として噂されていたみたい。
因みに私は寝取られ、捨てられた可哀想な女らしいわ。
ダイアンとアンネリア嬢は夫婦となってまぁまぁ仲良く暮らしていたようだが、生まれてきた子供がどうやらダイアンにもアンネリア嬢にも似ていなかったらしい。
そこから急速に二人の仲は悪くなっているのだとか。何故こんな話を知っているのかと言えば、ダイアンが私に手紙を送ってくるから。
彼女は『不貞を犯していた、やはり俺には君しかいない』とね。
ざまぁみろってやつよね。
私は手紙を母に渡し、無視を貫いている。母は手紙を見て『やっぱり馬鹿ね』と呆れていたわ。
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