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むかしむかしの、そのむかし、かぞえることすらもバカらしくなるほどのむかし。

いっぴきのマゾクの少年がいました。

少年はニンゲンたちからも、おなじマゾクからも、たいそうきらわれていました。

「さみしい・・・さみしいよ・・・・」

なげく少年のこえにこたえてくれるものはだれもいませんでした。

そんな少年が、ナカマをもとめたのはあたりまえだったのかもしれません。

なげき、なげきつづけた彼はあるひ、ぶっしつを呪い(いのち)にする力をてにいれました。

その力に少年はたいそうよろこび、つぎつぎとナカマをつくっていきました。

やがて少年はひとりでいることがなくなり、だれもいない世界(はこにわ)でしあわせをてにいれました。

しかし、そんな少年のしあわせは、ながくはつづきませんでした。

呪い(いのち)をつくりだすのは神にだけゆるされた力だと、神は少年から力をうばい、彼をだれもいないひとりぼっちの世界についほうしてしまったのです。

少年はまたひとりになりました。ですが、いぜんのように『彼』はなげくことはありませんでした。

なぜなら少年はひとりではありましたが、こどくではなくなったのですから。


これからはじまるは少年による、『彼』が主役の死の舞踏会(きげき)


そこに立ち入る事は、例え神であろうと叶わない


何人も寄せ付けぬ惨劇(ハッピーエンド)


さあ、いよいよ舞台の幕が閉じていく。


第二章 ハッピーエンド

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