善か、悪か──二元論では語りきれない深みのある物語

※読み合い企画からのレビューです

元王子の冒険者・バートと、その仲間であるヘクターは、とあることから聖女(かもしれない)ホリーと出会う
バートはホリーが本当に聖女であるか見極めながら、彼女を送るため共に旅をするのだが──という導入から始まる本作品は、善と悪について考えさせられる非常に深い物語だ

本作品には、さまざまな登場人物が出てくる
善人も、悪人も、そうでない人も
そして、人間の敵である魔族すらも一枚岩ではない
尊敬に値する魔族も、侮蔑に値する魔族も、本当にさまざまだ

バートは極度の人間不信だ
本当は人を信じたいくせに、義務感で善を成しながら、幾度も人間の醜さを見せつけられてきた
ホリーの存在は、果たして、彼にとっての救いとなるのだろうか
二人の行く末を、是非その目で確かめてみてほしい
おすすめです

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