第122話 ワクワク
【お知らせ】
この作品の書籍化に伴い、下記の変更点がここから反映されます。
・キャンピングカーが新しい道のりを走ると経験値が溜まり、一定の距離を走るとレベルアップする
・キャンピングカーがレベルアップすると、新たな拡張機能が追加され、それとは別の特殊機能を得ることができる
・レベル2では特殊機能【透明化】が使用できるようになり、キャンピングカーが透明化できるようになった
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「すっげ~! このキャンピングカーってやつの中はこんなふうになってんのか!」
「この中で快適に生活できるようになっているんだよ」
カルラがキャンピングカーに乗るのは初めてだ。いろいろと説明することが山ほどある。
「カルラはよくそれほど楽しそうにキャンピングカーの中に入れましたね……」
「僕も最初はちょっと怖かったかな……」
「俺は外側だけは何度か見ていたからな。シゲト、こいつはなんなんだ?」
「これは冷蔵庫という物だよ。ほら、この中は冷えていて、食料なんかを入れておけるんだ」
「うおっ、確かに冷たいぜ! すげ~な!」
初めてキャンピングカーの中に入るカルラはとても楽しそうだ。うん、本来キャンピングカーに入る時はこういうワクワクとした気持ちになるんだよな。
まあ、車を見たことがないこの世界の住人にはこの大きなキャンピングカーは魔物に見えるらしいから、魔物の腹の中に入るくらいの覚悟が必要というのもわからなくはないけれど。
「とりあえず、まずはアステラル村から少し離れて、ドラゴンを解体しようか。そのあと街でドラゴンの素材を売れるかを見てみよう」
「ホー!」
「それじゃあカルラは……後ろの椅子に座ってくれ。コレットちゃん、カルラにシートベルトの付け方を教えてあげてね」
「うん! カルラお姉ちゃん、シートベルトはこうやって付けるんだよ」
「へえ~身体を押さえる紐か。おおっ、引っ張ると伸びるんだな!」
後部座席にはコレットちゃんとカルラ。運転席には俺、助手席にはジーナとジーナに抱き抱えられたフー太が座る。今後も基本的にはこの形で進んで行くつもりだ。
カーナビを操作して次の目的地を決める。ジーナが生まれ育ったハーキム村を出てから半月が過ぎた。そろそろハーキム村へ戻ることも視野に入れて目的地を選ばなければいけない。
まずはここから東の方へ進むと川があって開けた場所があるから、まずはそこを目指すとしよう。
そしてそこからさらに東に進むと、ノクターラの街というそこそこ大きな街があることはアステラル村で確認済みだ。そこでドラゴンの素材を売れるかを確認して、いろいろな物資を補充するとしよう。
『目的地が設定されました。目的地まで案内を開始します』
「うおっ、誰だ!?」
「ああ、道を案内してくれる声だから、あまり気にしなくて大丈夫だよ」
初めてキャンピングカーに乗った人がカーナビの声に驚くのも、いつものことである。
「よし、それじゃあ出発!」
「ホホ―!」
アクセルを踏むと、キャンピングカーがゆっくりと進み出す。
「うおおおおお! すげえ、こんなにデカいのがこんなに速く走っているぜ!」
「カルラお姉ちゃん、あんまり身を乗り出すと危ないよ!」
後ろからは窓を見てはしゃぐカルラと、それを止めようとするコレットちゃんの声が聞こえてくる。新たなる同行者が増えて、また楽しくなりそうだ。
『目的地に到着しました』
「よし、無事に到着っと。特殊機能の透明化も発動しておこう」
3時間ほど走って、カーナビでピンを差していた目的地へと到着した。
川のほとりで近くには何もない。キャンピングカーの透明化も発動したから、魔物などが遠くからキャンピングカーを見つけて寄って来ることもないだろう。
「次のレベルアップまでは残り900キロメートルか。まだまだ先は長いなあ」
「新しい道を走ったら、どんどん快適になるなんて面白れえな」
カルラには道中で拡張機能や特殊機能、レベルアップや今ある拡張機能なんかを説明してある。
便利な特殊機能や拡張機能を早く増やしたいところではあるけれど、この世界の路面状況はあまり良くないからあまりスピードは出せない。まあ、レベルアップの方は焦らず、安全運転を心掛けていこう。
「さて、ドラゴンの解体作業をする前に、まずは昼食にしよう」
解体作業をすると血がベトベトで臭いが染みつくことはすでに経験済みだ。まずは昼ご飯を食べて、解体用の汚れてもいい服に着替えてから作業に取り掛かるとしよう。
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いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
こちらの新作もどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
『異世界転生した元教師、【臨時教師】として崩壊した魔術学園を救う。〜クソガキ&無能教師&モンスターペアレントはすべて排除する~』
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