第8章 あとがき

 これにて第8章『暴かれし悪役令嬢』の完結でございます。


 タイトルの通り、毒殺事件の裏事情にティースが勘付いたというわけです。


 これは異世界に転生してきた松永久秀にとって、初黒星です。


 証拠、証人は全部消し、絶対に辿り着けないと高を括っていた上での、真相への到達だったからです。


 しかも、気付いた理由が“箸の使い方”というどうでもいい理由。


 あろうことか、“数奇者としてのこだわり”が“梟雄の国盗り物語”の足を引っ張ると言う笑えない状況。


 下手を打つと、本当に嫁に殺されかねない状況になったのです。


 なにしろ、分身体が死ねば本体も死ぬ、という縛りがある以上、ヒサコの死はヒーサの死を意味しますから。


 嫁との関係修復ですが、【大徳の威】という切り札を使い潰した後であるので、好感度調整もほぼ不可能になりました。


 ジルゴ帝国とそれを率いる皇帝、国内の反シガラ公爵勢力、そして、嫁。


 まさに『対松永久秀包囲網』が形成された瞬間でもあります。


 と言っても、どの勢力も互いに連携しているわけでなく、“松永久秀ヒーサ&ヒサコ”が憎い、という一点のみ共通しているのです。


 そして、魔王を名乗る皇帝の正体は足利義輝。“剣豪将軍”とも呼ばれる第十三代室町将軍であり、松永久秀に対してはこれ以上にない程に恨みを抱いている人物です。


 御所を襲撃して、弑逆しましたからね。


 異世界だろうが、目の前にいれば、全力で殺しに来ます。


 三者の思惑はそれぞれですが、シガラ公爵を潰す、松永久秀を殺すと言う点で、攻撃を仕掛けてきます。


 さて、この困難な状況、お茶欲しさに【大徳の威】を失った松永久秀、これからどうなっていくのか!?


 次章『開戦! 王国 vs 帝国』、乞うご期待!

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