48 キャサリンの才能見つけた!

 ※デリアsideに場面切り替わります。


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 お母様はキャサリンに、優雅で品位ある令嬢としての振る舞いを身につけさせるため、日々厳格な指導をしていた。最初の数日はキャサリンの歩き方や、座り方に目を光らせ微調整をさせる。


「背筋を伸ばし、足を軽やかに動かしなさい。手の動きや表情にも注意を払い、無駄な動作を排除するようにね」


 キャサリンは最初こそ戸惑いながらも、次第にこれらの要素を自然に取り入れていった。テーブルマナーにおいても、ナイフやフォークの使い方、食事の進行、そして相手への配慮など、細かな点まで丁寧に教示する。キャサリンは繰り返しの訓練を通じて、これらのマナーを身につけ、自然体で上品に振る舞うことができるようになった。


 会話においても、お母様はキャサリンに対して様々な場面での適切な話し方を指導した。上品な言葉遣い、相手に対する敬意、そして適度な会話のバランスなど、社交の場での心得を丁寧に教授していった。キャサリンはこれらの指導に真摯に耳を傾け、自分の語彙や表現力を向上させるために日夜努力した。


 また、貴族としての品格についても、お母様はキャサリンに豊かな教養や社交的なスキルを身につけるよう奨励した。書物や芸術、音楽に触れ、様々な分野での知識を深めることが、高貴な出自をより引き立てると教えたのよ。それによって、キャサリンもだいぶ落ち着いたレディになったように思われた。ただ、髪の毛はなかなか伸びなくて外出時には帽子をかぶっていたけれどね。





 ある日、グラフトン侯爵家に、今をときめく人気宝飾デザイナーのヴァーノン様が訪れた。お母様が私の結婚式用の宝石を依頼したのよ。サロンにヴァーノン様をお迎えし、メイドがお茶を出すと、専属侍女のセシルやキャサリンも私の後ろに控えた。


「おや、もしかしたらナタリー様のお姉様ですか? サーソク伯爵家でちらりとお見かけしましたね」


 親しげに話しかけられたキャサリンはあからさまに嫌な顔をした。


「婚約破棄されて泣いていた私を、軽蔑したように見ていた方ですわね。にこにこして帰っていかれたのを覚えていますわ。さぞ、あの場面がおかしかったのでしょうね?」


 投げつけるように放った言葉に、私もお母様も頭を抱えた。どうやら、キャサリンはナタリーに頭の構造が似ているらしい。衝動的に発言してしまうのは直らないのかしら?


「キャサリン。上品な言葉遣い、相手に対する敬意、そして適度な会話のバランスを忘れてますわよ。お母様からあんなに指導されましたよね? ヴァーノン様となにがあったか知りませんが、私の侍女がグラフトン侯爵家のお客様に言って良い言葉ではないわ」


「しまった・・・・・・忘れていました」


 途端にシュンとしてうつむいた。


「申し訳ありません。デリア様、ヴァーノン様。キャサリンは悪い子じゃないけど、迂闊で愚かなだけなんです」


 セシルがいつものように謝った。悪気はないけど迂闊で愚かって、一番の地雷な気がする。セシルは賢くて臨機応変に振る舞えるのに、キャサリンは猪突猛進な要素があった。お母様と私が呆れていると、キャサリンはモジモジとスケッチブックを差し出す。


「私、デリア様のためにウェディングドレスのデザインを描いてみました」


 私に手渡されたスケッチブックには、たくさんのウェディングドレスのデッサン画があって・・・・・・


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※近況ノートに氷魔法を使うナサニエルのイラストがあります。AIイラストに抵抗がなければ、良かったら覗いてみてくださいね。

「氷魔法を使うナサニエル AIイラスト」にあります。

 


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