贋作

贋物の感情で詩を書いて

本物のように振舞った

私はこんなにも繊細で細やかで

精神が研ぎ澄まされていて傷つきやすくて

自然を愛し時を愛し人を愛し過去を愛し未来を愛し

ときには誰かを遠ざけたりする

そんな人間なんですよと

いや、みんな

私は人間じゃない

大した存在じゃないんだ、なんて

そんな言葉すらも贋作をつくるための素材でしかない

本物の感情はどこにもない

本物の詩はどこにもない

でも私は

このつまらない贋作を愛する

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