雷獣雷神
「ゴロちゃん、クロちゃん!」
「おう!」
雷と火で霧を消していく。
「うーん…思ったよりも粘るな。」
解放軍ことアビスの男。
彼は妖怪の力が強いだけでなく、使い方も上手い。
霧でゲートを作り、攻撃を躱す。
そしてゲートとゲートを繋いでカウンター、または河童達の攻撃も飛ばしてくる。
どうやらあの河童達は完全にあの男の支配下に置かれているようね。
「人手が足りない…アキラ君はどれくらいで起きそう?」
「酸欠だったし、まだ暫くは起きそうにないぞ!」
正直な話、私達はあの男と相性が悪い。
妖怪の力は五行を基になっている。
アキラ君とクロちゃんは見た通り火。
私とゴロちゃんの雷は火の性質と同じ。
つまり霧、水を操る鬼と河童には相性が最悪なのだ。
そして憑依。
「憑依した際の妖力はしてない時と比べて、相性が良ければ2倍以上、悪くても1.3は超える…」
水をかき消すために
私たちの攻撃は当たったとしてもかなり威力が落ちているはず。
アキラ君とクロちゃんの憑依と私たちの
「…そろそろ攻めよっかな〜。」
「来るぞ!」
そう聞こえた途端、目の前から男が消えた。
何処に行ったのか辺りを見回した瞬間、ゴロちゃんと一緒に腹を蹴り飛ばされる。
「あり?そんな力込めてないんだけど、ぶっ飛び過ぎじゃない?」
「レディ…蹴るのは…よく、ないんじゃない?」
「ヒビキ!大丈b、ギニャ?!」
「君も五月蝿いね〜、三味にして売り飛ばそうかな?」
「お前ら、何でオイラを三味にしようとすんの?」
肋骨は折れてはいないが、ヒビは入ってそうだ。
男はクロちゃんの首根っこを掴み品定めしているようだ。
「させる訳ないでしょ、ゴロちゃん!」
シリンダーに釘を突っ込み、男を狙う。
「
1発、クロちゃんとアキラ君を巻き込まないように頭少し上を狙って撃つ。
当たらなくても、少し擦ればそれでいい。
けれど、それは叶わなかった。
男はこちらを向いてニヤリと笑う。
「残念、それが目的だ。」
放った釘は霧製のゲートに吸われる。
「雷は天から落ちる物だよ。」
上を見ると、そこには1つのゲート。
「Good-by thunder woman♫」
ゲートから強い光が溢れ出る。
これから来る衝撃に備えて目を瞑る。
しかし、衝撃はいつまで待っても来ない。
恐る恐る目を開けると、目の前には見慣れた制服姿の女の子がいた。
「大丈夫ですか、先輩?」
「やだ、私の後輩イケメン。」
「何馬鹿なこと言ってるんですか?!」
フブキことフーちゃんが助けに来てくれた。
私たちのことを氷のドームで覆っている。
「気を付けて、相手は鬼よ。」
「色は?」
「…相性を考えても、赤は超えてる。それに、アキラ君と同じ鈴持ちみたい。」
「鈴ってことは、深海に?」
「そう、さっきからゲート利用して河童の攻撃飛ばしてきたり避けられたり、とにかく手札の使い方が上手いの。」
そう話していると、外から水の音が聞こえる。
フーちゃんは直ぐに憑依状態になる。
私はもう一度シリンダーに釘を装填する。
「ヒビキ、うちに合わせられる?」
「お手柔らかに頼むわね。」
ドームが壊れたと同時に、私はもう一度
深海都市 阿保踊 @retr0s_luck
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