第六十八話 元日の衝突?

「明けましておめでとうございます、本年も宜しくお願いします」


「おう明けましておめでとう」


 1989年の元日です、今日は由佳さんも合流との事で朝のご挨拶です


「て言うか今年は人数が多いな〜」


 それはそうです昨日山名家もお泊まりだったので7人いるのですから、かなり手狭となっております、ですが元日の美和子さんのお雑煮は恒例となってるからね


「はい、では皆で頂きましょう!」


「「「「「「いただきます!」」」」」」


「相変わらずうめ〜〜」


「年々旨くなっている、何かヤバい物でも入ってるんじゃないか?」


「や〜ね〜、大輔君たら」


「いや、コレは本当に美味しいですよ」


 ウンウンって山名家も絶賛してるな、晴彦さんに褒められたのが満更でもないのか美和子さんが照れてます


 恒例のお年玉の儀も、今年は晴彦さんと何と由佳さんからも頂けたので子供組も大喜びでした


 今年もいつものやり取りが終わり、コレから全員で初詣に、全員の準備も終わり馴染みの寺社へ行く途中、今年も岡崎兄弟と鉢合わせしました、おっ早苗も合流してる


「明けましておめでとうございます」


「はい本年もよろしくお願いします」


 新年の挨拶を終えるもいきなり康二兄に耳打ちされます


「どどど、どう言う事だ? み、美和子さんの隣にいるの誰だっちゃ!」


 動揺し過ぎだろ、そうか康二兄は山名家のなりそめを知らないんだった、軽く成り行きを説明する


「くそ、忙しくて顔出せないうちにそんな事になってるとは!」


 絶賛後悔中の康二兄に美和子さんが気づいた様で


「あら、康二さん、昨年はネクストの記事の件でお世話になりありがとうございました」


「いえいえ、お気になさらず、事実を知り合いの報道の人間に伝えたら興味を持っていただいた様で、私の手柄ではありませんよ」


「いえ、本当に助かりました、康二さんに何とお礼を言ったらと考えてたんですよ」


「本当にお気になさらずに、それよりそちらの方は?」


 美和子さんが紹介する前に前に出た晴彦さんが


「美和子さんがお世話になってる方でしたか、失礼しました、私、山名晴彦と申します、私も風間家の皆にはお世話になりっぱなしで」


「そうなんですね、私は健太の兄の岡崎康二と言います、私も美和子さんにはお世話になっていましてね」


 握手する2人の間に電流が流れているのを幻視出来てしまった、お互い握手で相手の手を握り潰すくらい力も入ってる様だ、すると今度は由佳さんに耳打ちされる


「おい、大輔、どうなってる?」


「あ〜多分だけど双方美和子さんに気があるんじゃないかと……」


 俺が内情を説明すると


「……私にもまだチャンスがあるって事だな!」


 げっ、そういや由佳さん、康二兄の事気に入ってたんだった、そんな悲喜交々が起こってる事に気づいてない美和子さんは仲良しを見る目でニコニコとしております


 ……有象無象の輩からこの笑顔、守護らねばならぬ!

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