未来知識で逆行した現代でスローライフを目指す

第六十七話 1988年から1989年へ

　今年もやって来ました年末大晦日、ブラザーズと共に年末年始に向けた買い物にやって来た大輔です

「今年は景気が良いせいかすごい人出だね〜」

「兄貴、帰りゲームソフト買ってこうよ」

「小次郎兄はまたゲームなのね〜」

「阿呆、まずは年末年始の食料品の確保だ、年始はどこも閉まってるからな」

　今年は人数も多い為年越し蕎麦だのおせちだのお雑煮だの準備する物が多いのだ

　そうして近所のスーパーに来た俺達の前に何処かで見たカップルの姿が

「おせちの分はコレで良いね」

「あら蓮根がまだよ、私辛子蓮根って好きなのよね」

「辛いのは苦手だな〜」

「あら辛いから美味しいのよ？」

　あははウフフとまるで新婚夫婦状態、俺と誠司は頷き合い健太のバックに周りクロスボンバーを放つが、健太に交わされてしまう

「何をする！」　「「やかましい、バカップルめ」」

　カップル呼びに少し赤くなった早苗に話を聞くと、年始に師匠の家でお祝いの為の準備を2人でしているらしい、ここ何年もマトモな年始を過ごしてない師匠へのサプライズだそうだ

「お世話になってるからね、少しでも恩返ししないと」

　ふん、まああの爺さんも多少は喜んでくれるだろうよ

　その後立ち話も終え、2人と別れた俺達は買い物を済ませて家に帰宅した、駄々を捏ねる小次郎に折れポップマン２を買ってしまったのを後に後悔する羽目になるとはこの時は知る由もなかった

　◆　◇　◆　◇　◆

「「「「ただいま〜」」」」

「「おかえりなさい」」

　自宅に戻ると美和子さんと晴彦さんからおかえりの返事、そう晴彦さんは昨日が仕事納めの為、今日は山名家全員が集まったのだ

　真っ先に永遠ちゃんがお父さんのとこへ行って買い物中の一件を楽しそうに話していた

　俺達はさっそく夕飯の下拵えに入る、俺達子供組は年末は親2人をゆっくりさせようと皆で相談していたのだ

　年末の特番を見ながら談笑する2人、仲が良いのは結構だが距離感が若干近く感じるのは気のせいか？

　気になった俺は2人の間に割り込むように準備を終えた夕飯を並べていく

「それじゃあ皆頂きましょう♪」

「「「「「いただきます」」」」」

　夕飯の後にちゃんと年越し蕎麦も出してこれぞ年末って感じ、紅白を見ながら眠そうな永遠ちゃんを励ましつつ迎えた除夜の鐘

「わかってるな小次郎、誠司、永遠ちゃん？」

「勿論」　「当然」　「やるやる」

3・2・1 それ〜

　4人全員でジャンプ、1989年は空中で迎えたぞ〜、皆で大喜びしながらハイタッチしてご挨拶

「「「「「「明けましておめでとうございます」」」」」」

　こうして激動の1989年は幕を開けた