「どんだけ危なかったと思ってるの！」　

　ネクストにて例の『レジスタンス』の輩の件で美和子さんにしこたま怒られました

　美和子さん達ネクストの方でも警戒していたみたいです、ヤーさんのフロント企業という事は掴んでたみたいですが、まさか速攻で家族に手を出すとは想定外だった様です

　しかもその相手を俺が秒で排除したものだから、危険にも程があると現在説教中なのですよ

「相手はヤクザのフロント企業よ、いくら大輔君でも、やっていい事と悪い事があります」

「でも家族の通学路まで把握されてたんだ、今後小次郎や山名兄妹まで手を出す可能性がある、早めに排除するべきだと思ったのさ」

「だからって大輔君が矢面に立つ必要はないでしょ、もし大輔君の身に何かあったら私耐えられないわよ」

　美和子さんは俺の身を案じて心配してる、それは有り難いのですが、ここで引いては相手はどんどん嵩にかかるだけです

「心配してくれて有難う、でもここで芋を引く訳にはいかないよ、母さんの苦労を台無しにする訳にもいかない」

「そんな物どうでもいいわ、2人より大切な物なんて私にはないのよ！」

　少しの間2人睨み合っていましたが、ちょうどその時美香子さんがお茶を持って代表室に入ってきます

「粗茶ですが、どうぞ」

　いいタイミングです、美和子さんも少し落ち着いた模様

「ふ〜、で今後どう対応していくか相談しましょう」

「まずは弁護士だね、晴彦さんが来年司法試験合格するまでに必要になると思う」

「1人心当たりがあります、私にお任せ頂けないでしょうか？」

　美香子さんに当てがあるらしい、ここはお願いするべきだろう

「そうね、美香子お願いするわ」

「あとメディアでネクストを取り上げて貰うって手もある、向こうは大事にはしたくないだろうしね」

　この時代まだ暴対法は成立されていないが、噂は既に上がっている、上の方は騒ぎが大きくなるのは望まないだろう

「その辺は康二さんに私が相談してみるわ」

　そうか康二兄は大手出版社に居るのだから伝手はあるだろうしな

「最後に敵の暴力行為への直接的な対応策だね」

　これは必須、敵の暴力行為に怯んでしまってはどの様な対抗策も無意味になりかねない

「それは警察にお願いするしかないわ」

　それは無理だろう、暴対法のない現在警察の介入だけでどうにかなると考えるのはマズイ

「現在の法制度で警察の介入頼りは駄目だろうね、四六時中ネクストに張り付いている訳にはいかないもの」

　2人が頭を抱えますが、俺に一つだけ案があったので伝える事にします

「知り合いに1人、実戦武術の達人がいるんだけど話を聞いてみない？」

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