ループする世界。少しずつ見えてくる真実と、更に深まる謎と

 「ループ設定」の扱い方が面白く、刮目させられる作品でした。

 主人公であるカノアが異世界に飛ばされ、そこで出会った少女ティアたちと共にその世界の真実と立ち向かっていく。

 ストーリーが進行する中で、「ある存在」により「なぜその世界でのループが作られたか」が明かされる場面があります。
 そこで「ループの目的」を見た時に、「これは!」と瞠目させられることに。

 通常、ループものと言えば「主人公が学習していくことで、どんどん上手くやれる方法を編み出していく」という風に扱われるのが定石です。
 つまり、ループによってフィードバックされるのは「主人公の経験や知識のみ」となり、それ以外は何回ループしても世界に変化は起こりません。

 でも、この世界ではひそかにループが続くことによって「蓄積されていくもの」があると判明。

 これは今までになかった異世界モノだな、と先が気になって仕方なくなりました。

 彼らの今後の物語には一体何が待ち受けるのか。残酷な理屈で作られた世界に希望はあるのか。是非とも見届けたくなる作品です。

その他のおすすめレビュー

黒澤 主計さんの他のおすすめレビュー2,021