第92話 受験前
1月後半に願書を出願し、もう後は本当にラストスパート。学校でも先生達が総出でサポートしてくれている。
そんな中、俺と梓は曽川君や他の友達の勉強を見つつ、最近サービスが開始されたモンスターバウンドをやっている。
俺が今追ってるゲームは全部で4つ。
『パズド◯』『ギルドウォー』『わんこ大戦争』『モンスターバウンド』。
そろそろ時間を捻出するのがキツくなってきた。『ギルドウォー』は比較的は時間が掛かるアプリだから放置してても問題ないんだけど、他は結構画面を見てないといけないから。
そりゃ未来で放置ゲーが流行るよな。
忙しい人達からすればちょっと操作して、放置しておくだけで良いんだから。
で、時間がある時にがっつりやる。俺も時間を取られるのが嫌になってきて、アプリから離れていったんだよなぁ。
後一年ちょっとで俺がどハマりした放置ゲーみたいなのがサービス開始する。あれを放置ゲーと言っていいのか分からないけど。
俺の中では放置ゲー。でもいざ本腰入れて向き合うと、あっという間に時間が溶ける。
ガチャ確率もかなり渋いのに、なんであんなにハマったんだろうな。周りにやってる人も少なかったけど、それでも何故か俺に刺さったんだ。俺がアプリの歴史を変えまくってるから、今回もリリースされるかは分からないけど、されたら是非やりたいと思っている。
「谷君。ここなんだけど」
「あーそれは丸暗記した方が話は早いかも」
iPhon◯を片手で操作しつつ、しっかりと勉強を教える。俺と梓は既に余裕をぶっこいている。模試の結果も完璧だったし。もう勉強はやり尽くした感があるんだよね。
先生達も俺達には何も言わない。信用されてるのか、呆れられているのか。前者だと思いたい。
「谷君ー」
「中村さーん」
「「はいはーい」」
まぁ、他のみんなに頼りにされるのは悪い事ではあるまい。チヤホヤされるのが大好き人間なので。もっと頼ってほしいね。
これで俺達が落ちたら超ダサいけど。
「iPa◯もう一台欲しいわね」
「分かる。買おうかな」
家でごろごろしてると、iPhon◯とiPa◯の二刀流でゲームしてる母さんがぼそっと呟く。俺とやってるゲームの数は一緒なんだけど、プレイ時間の差なのか、母さんの方がなんか強く見える。
お互い課金は最低限だ。全部のアプリを合わせて月に一万円もしていない。
これって一回大金を課金したら歯止めが効かなくなるんだよね。回帰前に学んだ。
課金してガチャを引き終わって、15分ぐらいはアドレナリンが出てるのか、滅茶苦茶興奮してるんだけど、賢者タイムに入ると一気に虚無感が襲ってくる。
これがいっときの快楽に流されるという事なんだろうか。回帰前もさっき言った放置ゲーみたいなのに、馬鹿ほど金を突っ込んでたからなぁ。
今回はなまじお金に余裕がある分タチが悪い。課金したい誘惑が凄いんだ。
今は我慢出来てるけど、どこでタガが外れるか。まぁ、それを配信ネタにでもしたら良いだろって考えてるんだけど。
母さんはアプリにハマってる割には課金課金って言わないんだよね。あんなにハマってるのになんで自制出来てるんだろ。
「キャラが居ないなら居ないなりに、工夫するのが楽しいのよ。時間はあるんだし、ゆっくり攻略していくわ」
との事です。その気持ちも分かるけどね。俺はどうしても強キャラ無双したくなる。
この辺が価値観の違いってやつですか。俺ももっと時間に余裕があったらそう思うのかね。
課金はアプリをやめたら無駄になるしなぁ。それが分かっててもやるんだけど。
人間って不思議だよね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます