昼休みにて 6

「アルバイト、決まりそう?」


 昼休み。


 今日も菜々美ななみと共にお弁当を食べていたここねが唐突に聞き出した。


「ぅえ? いえ、まだだけど」


 昨日のことを気にしているのだろうか? そうであるなら、気にさせて申し訳ない気がする。


「えっと……大丈夫よ? なんとかなるだろうし」

「そっか……」


 そこで会話が止まる。


 ここねは白身魚のフライをはむはむ食べている。


 自分の返答がマズかったのは明白だと、どうしようかと菜々美は頭を回転させる。


 少し考えれば、すぐに話題は出てくる。


「昨日、部活はどうだったの?」


 昨日はすぐに帰ってしまったため、あの後ここねがなにをしていたのか知らないのだ。


「昨日はね、えっと――」


 お箸を置いてスマホを持ったここねが画面を見せる。


「プリン作ったんだあ」


 スマホに表示されているプリンの写真。


 白いシンプルな丸皿に、トロっとカラメルのかけられたプリンの写真だ。


「美味しそう……!」

「えへへ、美味しかったよ。また今度作るからその時は家庭科室に来て!」

「いいのかしら? そんな何度もお邪魔して」

「部長も気にしないと思うから大丈夫だと思うよ」

「それなら……」


 そういうことならお邪魔してみようと思う菜々美である。

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