のだめが好きならハマる

のだめやピアノの森のような、正統派の音楽×青春ストーリー。主人公の「タイムリープ」は彼の天才的とも思われる演奏技術やセンスの理由付けであって、この作品の面白さは、彼が周りの魅力的な友人(&ライバル)たちと交流(=青春)しながら人間的に成長していく(高校生にもどって成長しなおす)ところにある。カクヨムやなろうにあふれている俺TUEEEで単純な自己肯定感を満たす安っぽいラノベとは一線を画している。また、演奏場面では楽曲や演奏技法のウンチクも多く、ゆっくり読むなら演奏場面で少し休憩して、音源を聞いてからまた読み始めるのも楽しい。

ラストはやや無理やりまとめた感がないわけではないけど、マンガなどでもラストはいきなり「〇〇年後...」に飛ぶパターンもあるわけでそこまで違和感はない。むしろ「タイムリープ」という設定をここで回収してうまくまとめたと言えそう。

ただ、肝臓破裂(主人公)や心臓病(ヒロイン)で死んでしまうとき、脳死判定を行うだけの時間があるだろうか?というところは気になってしまった。タイムリープしたり生まれ変わったりする世界で、そんなところを気にしてどうする?という気もするけれど、それだけこの作品で描かれている世界のリアリティがあるということだろうなぁ。

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