星空プロダクション(4)


 状況は理解できたので、次は条件面の話となった。


「基本的には企業勢としてマネージャーが指定するダンジョン攻略を週2回、個人チャンネルでの配信を週1回以上の、週に計3回以上の配信をしてください。それで報酬は、1配信で3千円お支払いします。また、個人チャンネルの配信収入はすべてカロナさんの物にしていただいてかまいません」


 つまり、これまでの配信に、企業勢としてのダンジョン攻略が加わるということだ。それだけであれば、やることはほぼ変わらないと言っても良い。なのに常に3千円貰えてしまうのだ。1日に急いで2配信しても3千円のようだけど。


「企業のチャンネルで配信する場合は、基本的に全報酬を参加者+1で割った分で山分けです。+1部分は星空プロダクションの運用資金にするので、その、すみません」

「ああいえ、会社なのですしそのくらいは……」


 1人で企業チャンネルの配信をすると半額納めるということになるが、それが嫌なら別に個人チャンネルでやればいい。というか、こちらは基本的には箱コラボをするときの話のようだ。


 ……これ、結構いい話なんじゃありませんこと? と、コクヨウを見る。特に反応はない。悪い話ではなさそうだ。


 と、ここでセバスが動く。


「なんともこちらに都合の良い話ですな。デメリットは?」

「ええと、それだけカロナさんを買っているのです。デメリットとしては、無理してHP全損等しても補填が少ないと言ったところでしょうか。なので無理をしないでくださいね」


 うん? 補填してくれるならむしろメリットでは??

 個人勢だと補填とかそんなものないのだから。


「あと、ウチの箱に居る間は他の箱に所属できない、というくらいでしょうか? カロナさんなら問題ないでしょうが、コンプライアンス的に不適切なことをしないように、というのも……」

「ふむ。それは当然ですな、お嬢様」

「なるほどね? わかりましたわ……」


 正直、うまい話だとカロナは感じている。うまい話すぎる。

 社長とマネージャーが高跳びしたせいで、素人だった星空アカリが頑張って代表として回している、というのが実情だろう。


 けれど、うまい話には裏がある、っていうのが良くある話で。

 カロナはどう見ても善良そうな星空アカリの話を聞き、一旦考えることにした。


「あの、一度持ち帰って、少し考えさせてもらっても良いでしょうか?」

「もちろんです! 良い返事をお待ちしております!」


 星空アカリ達3人は椅子から立ち上がり、カロナに向かって頭を下げる。

 これではまるで、こちらが面接をしているかのようだとカロナは思った。



―――――――――――――――――――――

(※ダンジョン攻略で収入があるB-Casterならではの契約なので、Vtuberとは全く異なると思いますわ! 参考になさらさない事ね!

 っていうか、Vの実情知ってる人いたらこの辺どういう感じの契約になってるのか教えてくださいですわ……! XのDMでもかまいませんことよ……!


 皆様、★ありがとうですわ! 800を超えました!!

 そして本日が読者選考締め……! ラストスターをお願いしますわーーー!!

 目指せ★1000ライン…!!)

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