推しの配信を見たのですわーー……!?!?


 そうしてミカドの配信は進み、カロナも若干怪しい所はあったもののお嬢様ムーブをしているおかげか概ねセーフ。

 突発事故で始まった無意識ミラー配信は、無事終了を迎えようとしていた。

 ミカドの配信ではスパチャ返信を行い、改めて告知をしている。


『再度告知しますが、こちらの石達は後日配信でチャリティーオークション致しますわね。売り上げは全て寄付しますので、余裕のある方は是非入札なさってくださいな』

「社会貢献も忘れないお嬢様の鑑ー! 神ですか!? いいえ、お嬢様でございますことよですわー!」


”カロナ嬢、お嬢様口調が暴走してるw”

”ていうか結局最後まで俺達に気付いてくれなかったなカロナ嬢”


『それでは皆さま御機嫌よう――ん? あら。へぇ? そうなの』


 と、ミカドが終了間際、コメントの一つに反応した。


『えーっと、本日はこの配信をミラーしてくださった方がいるようですわね』

「え? そうなんですの? 一体どこのどなたかしら。ミカドお姉様の人気に便乗した不届き者ならとっちめてやりますわ!」

『ただ、意図的なものでなく、その方の配信切り忘れのようです。ふふふ、可愛らしいこと』

「まぁ! おマヌケさんですのね! うぷぷ!」


”つ『鏡』”

”お前や!”

”お、読まれたw さすがミカド様、お優しい!”

”↑有能! よくやった!”


『どうやら配信ツールを終了させるのと誤って最小化してしまったようですわね。配信は、ちゃんと配信終了ボタンで終わらせる癖をつけておいた方がよろしくてよ? お気をつけあそばせ』

「まぁまぁ! そんなうっかりさんがいらっしゃるのねぇ」


”つ『三面鏡』”

”だからお前や!!”

”んんー、これは切り抜き決定ですわ!www”


『心当たりのある方は、振り返ってコメントが流れていないか確認してくださいね。では、本日はこれにて。またのお越しをお待ちしておりますわ、御機嫌よう』


 そう言ってミカドがにこやかに手を振り、エンディング動画が流れ始めた。


「はぁー……今日もお姉様が最高がすぎましたわー。それにしても粗忽な配信者がいらっしゃるのね。逆にちょっと見てみたいですわー」


”つ『万華鏡』”

”そうかそうか。余韻に浸ってるけどそろそろ気付いてくれ”

”おら! こっちみろ! お前だよカロナ嬢!”


「さーて、明日の予定を確認しま……」


 と、カロナはここでようやく振り向いた。

 そして、机の上に流れるコメントを見た。


”やぁ”

”カロナ嬢、見てるー?”

”wwwwwwwwwwwwwwwww”

”ミカレイド仲間だよー”



「……はえ?」



”ようやく気付いた! 気付いたぞ!”

”よかった。切り忘れ配信中に問題発言するお嬢様は……少ししかいなかったんだね!”

”「お姉様の縦ロールに住みたい」は草でしたw”


「ちょ、ま!? え、待ってくださいましぃいいい!? いやぁあああああああ!! 配信切り忘れ!? 嘘、どうしてっ!? 最小化? え、最小化ぁ!?」


 慌てるカロナに、コメントが ”wwwwwwwwwwww” で埋まる。

 かつてないコメントの流れに動転しつつも、カロナはハッと気が付く。



「ちょ、先ほどのお姉様が言ってたのって私!? 私の事でしたの!?」


”そうだよ”

”お嬢のおかげでコメント読んでもらえました!”

”よかったね、ミカド様からお言葉頂けたよ?”


「ぽんげぇーーーーーーーーーー!? お姉様にうっかり配信者として認知されてしまうではないですかっ!? は、配信っ、ひぁ、配信とじりゅっ! 終了ー!! 見ないでっ、私を見ないでくださいましぃいいいーーーーーーーーーー!!!」


”噛んだw おつカロナー”

”ぽんげぇwww 大丈夫、まごうことなきうっかり配信者だよ!”

”楽しかったよお嬢! またねー”

”次からはちゃんと終了ボタンで終わらせようねー”


 カロナは慌てて配信ツールを開き、配信終了ボタンを押す。なんどか押し損ねてスクリーンショット保存になったりしたが、今度こそ、配信は終了された。


 その後ベッドで「にぎゃぁあーーーーーー!!!」と悶え苦しむカロナであったが、幸い今度はちゃんと配信が切れていたので無事誰にも見られることはなかった。





――――――――――――――――――――――――――

(やりましたわ皆様方!! 週間89位になってましたわーーー!!

 皆様が推してくださるおかげですわ!

 ありがとうございます、感謝感激雨あられでございますっ!

 これでお寿司(半額)が食べられますわーーーーー!!!)

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