目眩がしそう

生と死、
夢と現実、
愛と暴力、
個と集合、

ありとあらゆる境界線を最初は美しく、しかし徐々に不穏に曖昧にしながら物語は進んでいきます。

叔母と私の関係は血縁や倫理を超えて、魂を共有する情報的存在として存在、と、いま書きながら思いました。

目眩がしそうです。

物語は進んでいきます。
不穏に。

退屈、
白々しさ、
古さ、

といった削除されないノイズは魂を共有する情報的存在の中に残存する、人間性の最後の残り滓的な何かとして機能していて、それを恐ろしくも愛おしく思う自分も確かにここにいました。

難解、不穏、醜悪、けれど、愛に溢れる不思議な物語。

やはり目眩がしそうです。

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