第102話 次なる攻略対象

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検索条件

 ・美少女(年齢不問)

 ・処女

 ・現在、恋愛対象がいない

 ・一夫多妻制への抵抗が少ない

 ・条件が揃えば旅に出れる

 ・妻たちと仲良くなれる

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 うーむ、あとの条件はどうしようか。


 オレはみんなが眠ったあとに、次の攻略対象を探すための検索条件を考えていた。


 ティナのことがあったので、美少女の横に年齢不問というのを追加した。見た目が可愛ければ、何歳でもオッケーなのである。


 あとは、剣を教えれる人がいいんだよね。


 それと、贅沢を言えば、オレたちが得意とする魔法属性と違う属性が得意な人がいい。

 モンスターには有利不利な属性があるため、パーティメンバーの得意属性もバラけている方がいいのだ。


 現在のオレたちパーティの得意属性はこんな感じだ。

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オレ

 雷

リリィ

 光(回復)

ソフィア

 雷

ステラ

 氷

ティナ

 風

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 ステラは、今の剣だと魔法はあまり使わないが、宝剣を持っていたときは、あきらかに氷属性が得意だったし、適性があるんだと思う。


 ティナは精霊の力を借りればどの属性も使えるらしいが、得意なのは風だと教えてくれた。


 てなると、残りの属性の中で今気になるのは、火属性かな。王道の属性だし、炎魔法はカッコいい。

 ということで、以下のような条件にしてみた。


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検索条件

  ・美少女(年齢不問)

  ・処女

  ・現在、恋愛対象がいない

  ・一夫多妻制への抵抗が少ない

  ・条件が揃えば旅に出れる

  ・妻たちと仲良くなれる

new ・剣術を教えるのが上手い

new ・火属性魔法が得意

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 ふーむ、なんかどんどん条件が増えてきて、こんなんヒットすんの?

 って感じになってきたな。


 まぁでも、検索するのはタダだ。やってみよう。


 『検索開始』と念じる。


 攻略スキルのマップが開き、まずは近場をチェックしていく。ガルガントナやウミウシには反応がない。

 マップをどんどん拡大していく。馬車で1か月くらいの範囲まで見てもヒットしなかった。


 うーん……

 やっぱり欲張りすぎたか。これ以上距離を伸ばすのも悩みどころだ、移動が大変だし。

 ちょっと条件を変えてみる。


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検索条件

  ・美少女(年齢不問)

  ・処女

  ・現在、恋愛対象がいない

  ・一夫多妻制への抵抗が少ない

  ・条件が揃えば旅に出れる

  ・妻たちと仲良くなれる

new ・剣術を教えるのが上手い

new ・火属性魔法が得意⇒火属性魔法に適正がある

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 もし今は火属性魔法が得意でなくても、才能があればいいかと思って条件を緩和してみた。


 『検索開始』再度そう念じる。


 やはり近場には反応がない。そして、徐々にマップを拡大していく。


 おっ!


 ガルガントナから結構離れてはいるが、赤い点が表示されている場所があった。馬車だと2週間くらいはかかるだろうか。マップの形からして山間部だということはわかった。近くに町らしきものもある。

 明日は、この子がいる町について調べないとな。


 よし、そろそろ寝るかー♪


 オレは新しい攻略対象を見つけてルンルンな気分で寝る準備を整えはじめる。ごそごそと布団をかぶり直し、頭を枕に沈めたところ、隣のリリィとバッチリと目があった。


 うぉ!?

 びっくりして、声が出そうになる。なんでこの子まだ起きてるの?


「っ……ど、どうしたの?」


 なんとか冷静を装って、小声で声をかけた。


「いえ……なんでもありません……」


 そういうリリィはなんだか悲しそうな顔をしていた。


 すぐにリリィを抱きしめて「なんでも言ってほしいな?」と優しく話しかける。


「……わ、わたしのことは…」


「うん」


「……襲って…くれないんですか?」


 ……はぁはぁはぁ…

 ステラとティナは襲ったのに、ってことだろうか??


「ライ様…目が怖いです…」


「だ、だって、そんなこと言うなんて…なにされても文句は言えないよ?」


「わたしは、ライ様になら、なんでもされたいです…」


「リリィ!リリィ!」


 オレはリリィに覆いかぶさって胸に飛び込みながら顔をこすりつける。


「ライ様!お、落ち着いてください」


 誘ったくせにそんなことを言うリリィ。


 イヤだったかな?と思い顔を上げると、セリフとは裏腹にリリィは笑顔を浮かべていた。


「そんな嬉しそうに言われても無理だよ!」


 リリィの白いネグリジェをめくり上げる。オレは自重するのを忘れてリリィを味わった。


♢♦♢


「あのー、もうこの際、ライさんの隣で寝る人はライさんを好きにしていいってルールにした方がいいですかね?」


 朝食の場で、ステラがなんの脈絡もなく、そんな話をし始めた。


「そ、それがいいかもしれませんね…」


 昨晩のことを言われているとすぐに察したリリィが恥ずかしそうに答える。ソフィアとティナも恥ずかしそうだ。つまり、全員に気づかれていたということだ。


 そりゃそうか、気づかれないはずないよな。あれだけ自重しなかったのだから。


「なに笑っておるのじゃ…」


 昨日のことを思い出して、無意識にニヤついていたらしい。ジト目でエルフちゃんに指摘されてしまう。


「ご、ごめんなさい」


「しばらくお預けにした方がいいんじゃない?」


「そんな!?ソフィアさま!」


「えー?私はイヤですー。じゃあ、ソフィアだけお預けですね」


「はぁ!?それじゃ意味ないでしょ!」


「ホントは自分もしたいくせに」


「なっ!ステラ!あんた喧嘩売ってんの!?」


 バンッ!と机に手をつき立ち上がるうちの魔女っ娘。


「べつにー」


「どーどー!」


 オレはソフィアを後ろから羽交い締めにする。


「ステラもあんまりソフィアをからかわないように」


「はーい」


「今晩、隣で寝るのはソフィアの番だよね?」


 オレは、ソフィアを羽交い絞めにしたまま、耳元で声をかける。

 隣で寝るってことは意味はわかるよね?

 という意図の質問だ。


「………うん…」


「オレはソフィアとも仲良くしたいな」


「わ、わかった…」


 へへ…ちょろいぜ。


「また、笑っておるぞ…」


 せっかく丸く収まりそうだったのに、余計なことを言っちゃうエルフちゃん。


「ティナさん、やめてください…」


 ティナの指摘を聞いたソフィアは、振り返ってムッとするが、ぷいっと顔をそらして、それ以上なにか言うことはなかった。


 今晩はソフィアの番。

 つまり、そういうことだ。

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