第63話決着
「あっ!あっ!あー!?」
辺りに少女の声が響く。
(今の声はマキシマム!イッタカ!)
アレクサンドリアは確信した、聖女アナによりマキシマムがペドフィリアから解放されたこと。
今のこえは間違いなく!アナ様の聖根による絶頂だ。
(あとは目の前の変態さえ殺せば!)
聖女の目的はあくまでマキシマムの救出、ペドフィリアの打倒は入っていなのだが……
彼は激怒していた、彼自身もまた同性に犯された被害者である、男に犯される屈辱や恐怖を知っている。
(私は男のまま犯されたが、マキシマムは奴らが遊びやすいように幼女化させられた!)
ペドフィリアは世界の敵というの知っていた。
だが!自分達の欲望を満たすために個人の性別を変えるなど。
このような悍ましい連中は生かしてはいけない、聖女様が情をかけたとしてもだ。
「ほう……私の洗脳を解いたというのか?」
「どこを見ている!」
私は殺すつもりで斬りかかるがかすりもしない。
ペドフィリアは常人以上の能力を持っていると聞いていたがここまでとは!
「はは……気に入ったぞ!その強さ!成人男性でありながらいやらしい尻!お前も幼女にしてやる!」
幼女神の発言に私は背筋が凍った。
目の前の狂人は私を幼い女の子にすると、そして結末を想像してしまった。
私は無言で剣を振るった、もう喋るな、本当に気持ちが悪い。
「君は産まれる性別を間違えたのだ!幼女となり私に仕えるのだ!聖女とは比べ物にならない快楽を与えてやる!」
「黙れ!私は男に産まれた事に納得している、嫌な事もあったが!聖女様に仕え!彼女も出来た!」
くっ、思わず彼女ができたと言ってしまった。
ペドフィリアにはバレているだろうが、余計な事を言ってしまった。
「聖騎士レイナのことだな?くくっ、二人揃って幼女し調教してやる!」
私の意識はそこの言葉を聞いて途絶えた……切れたのだ。
「はぁはぁ……私の勝ちです…」
紙一重だった、私はユリアン…、いやペドフィリアの幹部オルタナティブに勝ったのだ。
私は彼女の首に剣先を向けるが特に反応は無い、意識はある様だが目に生気がない。
「ああ……負けても悔しく無いもんだね…」
「………」
「そうか……私は死にたかったのか……だから負けても悔しく無いんだね…」
ユリアンは何か悟った様な顔をしていた。
「アンドレの息子を犯し、彼を殺してスッキリしたと思っていたが……そうか……既に絶望していたのか……」
「…………」
「自分の性癖に従って、ペドフィリアを勝たせてやりたいと思っていたが……ただの死にたがりだったとはね……」
「ユリアン……私は聖女様の元に行きます、生きて償って下さい……」
結局私はユリアンに止めを刺すことができなかった、甘いと思う、斬り殺しても問題は無かった。
聖女様もわかって下さっただろう、だけど大切な先輩を手に掛けることはできなかったのだ。
私が現場に駆けつけると、アナ様が女の子に魔力を注いでいた。
あの幼女はマキシマムか!くっ!私の少女時代より可愛いじゃないか!?
以前のむさ苦しい姿を知っている身としては、正直気持ち悪い。
幼女の中身がおっさんだからだ。
「アナ様!マキシマムは助けられたのですね!」
「レイナ!貴方はマキシマムさんに沈静化の呪文を掛け続けて下さい!洗脳が解けたショックで精神崩壊しないように!!」
「はい!」
「私は今から!アレックスさんの勝利の為に祈ります!」
私はアナ様の視線の先に目をやる、そこには異形の姿となった幼女神と剣を交える、最愛のアレックスの姿かあった。
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