第60話決闘

「私は駄目な男が好きなんだ……こいつ何とかしないと!そう想うと胸が熱くなるんだ!」

突然の性癖の告白に私は唖然とする。

私は何を聞かされているのだ?

「私にはペドフィリアのクズ達を捨てることは出来ない!」

ペドフィリアをクズと認識したうえで庇おうとしている?

「ペドフィリアはクズだが!幼女とエッチしたがる事に目を瞑ればハイスペックの男性達なんだ!」

「そこは目を瞑ってはいけないでしょう!?」

「人間!欠点の一つくらいあるだろ?」

「欠点が致命的です!」


私はユリアン様と話して確信した、彼女の性癖は異常だと。

(くっ、やはり聖都の聖騎士の性癖が歪んでいるという噂は事実だったのか……)


「もはや言葉では止まれないよ、性癖は魂の在り方……死ななければ変わることは無い…」 

ユリアン様は剣を抜いた、その立ち姿は聖騎士時代と変わらず美しかった。

「………」

私も剣を抜く。


「!」

次の瞬間、彼女は一瞬で間合いを詰めた。

幼女化し歩幅は幼女の短さだと言うのに、何の魔術も使わず、全身のバネを利用し打ち込んで来たのだ。

「くっ」

私は心の何処かで、彼女が幼女化により弱体化を期待していたのだろう。

彼女の細腕から繰り出される一撃は弱体化などしていない。

「弱くなっていないと言ったろ?いや性癖を自覚した事により強くなった!」

私と撃ち合いながら、彼女は意味の解らない事を言う。

やはりペドフィリアに頭を弄られたのだろうか?

「性癖を自覚して強くなる訳がありますか!」

「君には覚えがあるはずだ!聖女のわからせを間近で見た君は男のホールに興味を示した!」

「どうしてそれを!」

「聖都の聖騎士が変態だと言う噂の源は君だよ!!君は女装した美しい男を掘るのが好きな変態だ!」

ば、馬鹿などうしてバレた。

ま、まさか聖騎士団で取り調べを受けた時か?

いや…あの出来事は聖騎士団でも限られた者しか知らないはず。

(まさか?聖騎士の中にスパイが?)

「言っただろ?ペドフィリアは性癖に目を瞑れば優秀だと……聖騎士の試験に合格できる者もいる」

私は驚愕した、誇り高き聖騎士団にペドフィリアがいるだと?

俄には信じられないが……



「事実なのでしょうね、だから聖都を落とす事が出来た……」

数度打ち合った後、私は後退し距離をとる。

こちらは全力でやったも言うのに、彼女に呼吸の乱れは見られない。

性癖の自覚の効果かは解らないが、彼女が強くなったのは本当の事だ。

これから後は言葉を発する余裕はないだろう。

だからこそ今言わなければならないと思った、聖騎士の名誉の為に………

「私が変態なのは認めます、恋人のタテワレドスケベホールが大好き……ですが他の聖騎士は変態ではありません!」

お願いだから肯定して、誇り高き聖騎士で変態は私だけで良い。

「残念だけどさ……ロック団長も変態なんだ」

馬鹿な、あの子煩悩で、歳上の奥さんを大切にする愛妻家が……

「言わんとする事はわかるよ、でもね愛妻家である事と変態である事は両立するんだ」

両立する?という事は奥さんも進んで変態プレイを?

「彼の正壁はババア……いや古めのお姉さんに、若い女の子の服を着せ……くっ、こんなおばさんにこんな格好をさせるなんて!?と言う羞恥プレイをしている……無論奥様とな……」



なんてことだ!次あった時私はどんな顔をして団長に会えばいいの……






絶対吹き出してしまう。







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