第56話暗殺者

私はかつて……いや現役の殺人鬼だ。

それが唯一変わらなかった物だった、性別、容姿、名前、全てが変わっても殺人衝動だけが残った。

殺人こそが、私……アン・ガールの性癖……

魂の形と言う事だった。

今、仲間たちは聖女暗殺の時間を稼いでくれている。

彼等は本気で、この戦いに勝てば幼女とお付き合い出来る世が到来すると信じている。

確かに勝てれば可能性はある、勝者の力で道理を曲げる事は歴史の中でも度々あった。

たが、負ければ彼等ペドフィリアは汚物として歴史の闇に葬られるだろう。

(本陣の警備を掻い潜り……聖女暗殺?馬鹿じゃないの?)

全く割に合わない、正直逃げようとも思ったが。

(彼奴等いないと大人の鬼ごっこが出来ないからね……)

大人の鬼ごっことは人数はその時によるが、全裸になった私と大きなお友達が鬼ごっこをするのだ。

当然大きなお友達(ペドフィリア)も全裸だ。

私を捕まえる事が出来た者は、その場で私のホールを自由に出来る。

うん、只の多人数プレイだね。

(一対百は痺れたは……)

私はかつてのプレイを思い出し興奮する。

私は聖女の気配を探る、魔術による結界が張られているが……

聖女の気配は消しきれない。

聖職者を殺したこともあるが、これ程の聖なる気は感じたことは無い。

これで聖女アナは男の尻を掘るのが得意だと言う。

しかも、私ですら出来ない掘り当てを身に付けている。

この世界の聖女の基準はどうなるのと?聞いたときは首を傾げたものだ。


(あのテントか……)

私は聖女のいるテントを探し当てた。

仲間たちの陽動が効いているのか、周りの兵士は慌しくしている。

私はテントに近づく、魔術礼装の効果で誰にも気づかれていない。

礼装の効果を過信せず、細心の注意を払い中にはいる。

中にはメイドのお兄さんと変態の彼女が聖女の側にひかえていた。

聖女は目を瞑り一心に祈っている、やはりこの女は本物だ…本物の聖女……

男を一撃でトコロテンさせるのも、聖女の力も紛れもなく奴の本質なのだろう。

(お兄さんを掘りたかった)

メイド姿のアレクお兄さんを見てため息をつく。

忌々しい事に横にいる変態女聖騎士の彼氏だと言う。

お兄さんも帯剣している、元帝国軍人で中々の剣の腕と聞く、変態聖騎士も手強い。

暗殺を成功させ、逃げ切るには一撃で聖女を殺し、一瞬の隙をつくしかない。

狙うは頭部、その他の場所では自己回復される可能性がある。

聖女の回復魔法は強力だが、さすがに頭を潰せば死ぬだろう。

私はダガーを構える、魔力はまだ込めない。

感づかれる恐れがあるので、インパクトの瞬間にのみ魔力を解放する。

「臭いますね……」

タイミングを伺っていると聖女が不意に言葉を発した。

「何も臭いませんが?」 

聖女の言葉に聖騎士が怪訝な顔をする。

「確かに臭いますよ……尻で遊び過ぎですよ…ホールに隙間が相手臭が漏れてます……」

その言葉にアレクお兄さんは顔を真っ赤にして、お尻を押さえた。

お兄さん可愛い過ぎでしょ……尊い……

「いえ…アレクさんの事では無く……貴方のことでよすよ!」

聖女はいきなり振り光弾を放った。

こいつ!私に付いて!?

そこで私の意識は途絶えたのだ……
















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