第26話 7月の診察日

 三か月に一度の定期診察。

 いつも通り採血をして、概ね一時間後に順番が回ってきた。


「どう?」

「痛い&苦しいは変わらないです。薬が切れると辛いです」

「そっか~」


 血液検査の結果は変化無しの横ばい。

 それはそれで良いのだけど……


「ご飯があまり食べられないし、食べると苦しくて痛いしで、辛いですねぇ。それに座り続けていても苦しくなるし、だからと言って会社で横になれないし……」

「肝臓の嚢胞が圧迫してるんかなぁ」


 先生がCT画像を立ち上げて、クルクル動かす。

 相変わらず気持ち悪いな、My内蔵。


「あのぉ先生、私の胃ってどの辺にあるんですか?」


 私の問いに先生は「この辺かな」と左の肋骨下あたりをマウスポインタでクルクルと示した。


 白くぼんやりとした影が、ギュムっと押されているように見える。


 こんなに追いやられて……


「それで、特に食後はこの左の肋骨下あたりが痛むんですかねぇ」

「たぶん、そうだねぇ……肝臓なぁ穿刺しても、嚢胞が次から次へと出てくるから、どこまでやるかってことにもなるんだよね……」


 どうしようもないなぁとお互い呟き合う。

 本当にどうしようもない……多発は厄介。


「次でだいたい1年になるから、10月にCT撮ってまた考えましょう」

「はーい」


 次の診察予約の前週にCTと血液検査の予約を入れる。


「あとは痛み止めを続けるとして……」

「夜寝る前に痛くなったら、頓服的にカロナール飲んでも大丈夫ですか?」

「う~ん。あまりよくない……これも腎臓にあまりよくないけど、夜寝る前用に出すからこれ飲んで様子見て~」

「わかりました~」


 そんな感じでゆるぅ~く診察終わり。


 一人前が食べ切れないので、外食とか気楽に行けない。

 残すと相方が「もったいない」と食べてしまうので、彼の身体のためにもよろしくない。

 このあたりは地味にストレス。


 痛みは薬で抑えられるけど、圧迫感とか苦しいってなんともならんねぇ。困ったもんだ。


 


 

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