第10話立花栞の日常2

「嘘だろう・・・・・・なんで・・・・・・何だ。この状態は・・・・・・」

 俺の眼前に広がる。妹の死体。今朝に、公園を犬の散歩をしていた。

 近所の中年の男が、妹の死体を発見したらしい。今、その中年の男が

 警察に事情聴取されている。「うちの犬が、何かに向かって。吠えっていたから

 何だろう。と、思って。吠える場所に、目を向けたら。若い女の子の死体が

 あって・・・・・・」体を震わせ。警察に、死体発見時の事を聞かれる。

 中年の男を睨む事しかできない俺だった。あぁ、わかっている。あの

 中年の男を恨んでどうする。男は、何も悪くはない。悪くはないけど・・・・・・

 俺は、拳を強く握りしめ。そのまま、息を深く吐き出す。そして

 「あの・・・・・・すみません」俺は、警察と中年の男に話しかける。

 「自分は、立花杏の兄です・・・・・・」俺は、自分の身分を話。

  警察は「ご家族のお方ですか」と言い。「少し、お話を伺ても

  よろしいでしょうか?」「はい」俺は、警察のいくつか質問をされた。

  その中に「昨日の被害に会われた」

  「はい。彼女とは、お付き合いをしていました」そう話すと、警察は

   深く頭を下げる。それを見て、となりの中年の男も頭を下げ。

  「それは、すみません。一夜に、お二人も大切な人を亡くしてしまって」

   「いいえ」俺は、短く。頭を少しだけ、下げた。それから、警察に

    いろいろ聞かれ。妹が亡くなった。公園を出ようとした。

    その時、公園で何かを見つめる。妹と同じぐらいの女子高生が

    何かを見つめる。あれ?あの子、どこで会った気がする。

    俺は、しばらく、彼女を見つめながら。思い出そうとしていた。

   「あぁ、そうだ。確か、あの時に・・・・・・」俺が、もう一度。

   彼女の死体を見ようとして。急いで、殺害された現場に向かおうと

   した時。俺の前方不注意で、女子高生とぶつかって。そのまま、その

   子と一緒に倒れて。「あの時の・・・・・・」そうだ。あの時の

   女子高生だ。でも、なぜ、あの子がこんな所に・・・・・・。

   視た所。妹とは、クラスどころか。学校も違うし(そもそも制服が違う)

   俺は、思わず。その女子高生を見つめていた。すると、俺はみてしまった。

   あの女子高生の鞄から、真っ赤な血が着いた。包丁をしまう所を

   まさか、彼女が殺したのか。一気に、頭の底から湧き上がる程の怒りを

   感じた。その怒りは、決して。「よくも、俺の妹をころしたなぁー」なんて

   復讐に燃える。怒りではなく。「先を越された」自分の獲物を横取り

   された。ハイエナのライオンへの憎しみの怒りだった。別に、妹を

   殺した訳ではない。ただ、あの時の彼女の死体を見た時の。あの感覚を

   もう一度。味わいたい。だったら、俺が誰かを殺せばいい。そんな

   安直な考えをしている。俺だった。決めった。俺は、あの感覚を

   味わう為に。あの妹を殺した。あの女子高生を自分で、殺してやろうと

   決意した。まぁ、ついでに妹を殺された。復讐も兼ねるようにしようか。

   

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