第8話立花杏の推し
「ふんふん♪ふんふん♪」鼻歌まじりに、歩く。私は、誰が見ても
上機嫌だった。それもそうだよ。だって・・・・・・これで、邪魔者は
いなくなったから。大好きなお兄ちゃんの彼女は死んだ。
例の少女連続殺人事件の犯人の殺人鬼に殺された。その正体が
まさか、担任の遠藤先生だったなんて。それも驚きだけど。
その巡り合わせにも感謝をしたい。「後で、遠藤先生にお礼しなくちゃ」
私は、ルンルン気分で歩いていると、途端に歩くのもやめた。
「でも、本当に、遠藤先生が、あの事件の犯人なのかなぁ?」ふと
疑問に思った。あの時の私は、どうやって、お兄ちゃんの彼女を
私の代わりに殺してくれる人がいないのか。そんな事を考えっていた。
そこに、偶然。遠藤先生が、現れて。それで、先生が、自ら
少女連続殺人の犯人だって。言ってきて。「あれ?ちょっとまて」
私は、何かが疑問を覚える。私も、ネットで少女連続殺人の犯人の
裏サイトで見られる。画像を見たけど。確かに、先生に似っていたと
思った。でも、今、考えると。何かが、違う気がした。私の額から
大量の汗が溢れえてきた。「先生が、自分から、少女連続殺人の
犯人だって、言っていた。でも、もし、先生が犯人なら。あんなに
はっきりと『自分が、犯人です』って言わないんじゃないか・・・・・・」
いや、それはどうでもいいか。だって、私の目的は、お兄ちゃんの彼女を
私の代わりに殺してほしいだから。別に、遠藤先生が、少女連続殺人事件の
犯人じゃなくても。私にとっては、どうでもいい話。「お兄ちゃんが、帰って
きたら。買って来た。肉まんを二人で分けって、食べて。その後は、私が
お兄ちゃんを優しく。癒してあげよう~」これからの愛するお兄ちゃんとの
幸せに満ちた。生活が、待っていると思っていた。でも、人生の終わりは
突然。やって来る。「こんにちは」「はい?」私の後ろから、女子高生が
挨拶した。「こんにちは・・・・・・」私も、挨拶を返す。あの子。どこの
学校だろう?見た感じだと、私と同い年だけど。「あのー前に、どこかで
お会いしましたか?」私が、尋ねると。女子高生が「いいえ」と答える。
「そうですか・・・・・・」私は、気味が悪いので。そのまま、家に帰ろうと
前を向くと。グサッと私の体から、音が聞こえた。「えっ⁉」私は、自分の
体を覗こうとすると。私の胸から、真っ赤な赤い液体が流れた。
「さようなら。立花杏さん。あなたの死を無駄にはしないから。これも、
すべては、私の推し活の為だから」「は?・・・・・・」意識が遠のき
女子高生が何を言っているのか。聞こえなかった。微かに、(推しのため)って
言っていたように聞こえて来た気がした。でも、それはどうでもいい。
ごめんね。お兄ちゃん。
私のせいで、お兄ちゃんの大切な人を殺してくれって。頼んだせいで、こんな事
になるんて。思っていなかったよ。だって、私は、お兄ちゃん推しだから。
推しが、他のファンの子と付き合ってほしくなかったから。全てが、暗闇に
包まれた。これで、私の推し活は終わりを告げた。立花杏を包丁で、刺した。
私は、彼女の死体を引きずりながら。立花杏を近くの公園に運んだ。
続く
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