自信
その美男子は瀬伶菜に、
「ぼくとお付き合いしてください。」
とみんなの前で堂々と交際宣言した。
‼︎
…つ、ついにこのときがきてしまった。
いや、わかっていたんです…。
瀬伶菜は、美人で多才で優しくて頑張り屋さんで、申し分ない素敵な人間だってね。
そんな人を皆が放っておくわけがございませんよね……。
それで、瀬伶菜の返事は…
よろしくお願いします。かな?と思ったら、まさかのまさかのお返事だったのです。
その返事とは…
「わたしは先日お見合いをして、その人と結婚したいと心から思っておりますので、ごめんなさい。」
との返事だった。
…
えっ⁉︎
瀬伶菜…いつのまにお見合いなんて…
お見合い結局したのっ⁉︎
瀬伶菜ーー…
オレはその日、落ち込んだ…というか…もうなにも手につかなかった。
まぁ、オレはフラれてるし…そりゃ瀬伶菜と結婚できるなんて思ってもないよ?
でも…でもさー、お見合いするならひとことくらい、いってくれてもさぁ…。
布団で瀬伶菜のことを考えてたら、なんかうとうとしていた。
ザラザラザラザラザラ
…なんだ、雨降ってきたのか。
「あー、瀬伶菜ー…」
と布団で一人ぼやいていると、
「なに?」
と返事が返ってきた。
⁉︎
えっ⁉︎
んっ⁉︎
慌てて起き上がると、瀬伶菜がボリボリとお菓子を食べていた。
⁉︎
さっきのって…雨音じゃなくてお菓子の袋あけてる音だったり⁉︎
ってか、なんで瀬伶菜がいつのまにかいるわけよ⁉︎
「せ、瀬伶菜って…いつからいたの?」
「ん、さっき」
…
「あのさー、瀬伶菜。」
「なに?勝手に部屋に入って怒ってる?ならお詫びにお菓子欲しい?」
「そうじゃなくてね、お見合い…」
「あー、うん。」
「なんでオレに言ってくれなかったの?」
…
「それは…なんか言いづらいってかさ、恥ずかしくて。」
恥ずかしいって…
「結婚するんだ?」
「うん…。できれば」
…
「そっかー。」
「うん。でね、実はそのお見合い相手…遼なんだよ?」
⁉︎んっ
「えっ⁉︎オレ⁇お見合いしてないけど…」
「この前、防音室で無言のお見合い勝手に開催いたしました。」
ええぇええっ⁉︎
えぇええええええーー⁇
この前の無言の向かい合いってそうだったんだ?
「あれ…でもオレ一度瀬伶菜にフラれてるし…」
「あ、あれは…わたし自身に自信がなくて付き合えなかったの。でも、今なら遼と並んでも恥ずかしくないっていうか…ダメ…だよね。こんなわたしじゃさ…」
と俯いた。
「ダメじゃないよ。オレ…ずっと、ずーっと瀬伶菜のこと好きだったし。瀬伶菜、結婚しよう。」
オレは、まさか瀬伶菜にプロポーズする日がくるなんて想像もしていなかったのに、なんかすんなりと言葉が出てきた。
そして、からだが勝手に…というか衝動的に?なのか、瀬伶菜にキスをしていた。
いつもなら、そんなことできるわけないってなるんだろうけど…なんか…なんか瀬伶菜が愛おしすぎて、とまらなかった。
こうしてオレたちは、たくさんの収入と幸せを手に入れたのでありました⭐︎
おしまい♡
なにかと色々秘めた幼馴染が、幼稚園の先生になろうとしたけどピアノ弾けないから諦めてお見合いして子だくさんになるっていうから全力でとめてみた結果大富豪になっちゃった⁉︎ 猫の集会 @2066-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます