寒い
瀬伶菜の冷たい手。
本日瀬伶菜は、オレの部屋でくつろぎ中だ。
「瀬伶菜って、もしかしていつも寒い?」
「え?」
「だっていっつも手が冷たいから」
「あー、少しね。」
「そっか。ならオレがあっためてあげようか?」
なんて冗談を言ってみた。
するとまさかの、
「うん、お願い。」
と返してこられたよ?
えっ⁉︎いいの⁇
でも…オレフラれてる…けど、でも彼氏役でもあるもんな。
…どうすれば。
…
えーっとー…
でも、これ冗談じゃなくて瀬伶菜的にガチの方だよね?
…じゃあ、失礼します。
と、よそよそしく瀬伶菜に近づいて…
ギュウっと包み込んでみた。
うわっ、ほっそ!
折れそうだよ?
「細いなぁ。もっと食いなよ」
と、抱きしめながらいうと瀬伶菜が
「うん。」
と返事をしたんだけどね、抱きしめながらの会話って、なんかすごい。
喋ると声の振動がする。
その人の一部になったかのような不思議。
ってか、オレが瀬伶菜とハグとかそれこそ不思議すぎだろ。
ここは、学校でもないのに彼氏役とか今していて瀬伶菜になんのメリットがあるのだろうか。
…
しばらく抱きしめていたら、オレまであったかくなってきた。というか…ほてっている状態です…ね。
そりゃあ…好きな人抱きしめてたら…ね?
…
このままじゃ、危険だ。
これ以上は、何かが危険だ。
というわけで、
「瀬伶菜、あったまった?」
と聞きながら離れた。
すると瀬伶菜は、
「うん、あったまった。また寒かったら、あっためてね」
とおねだりをされた。
えー、いいんだ。
オレはいつでもウェルカムだ。
「わかった。なら、寒いときはいつでも言ってね。」
なんなら毎日でもいいけど。なんて心でつぶやつと、
「あ、寒いかも」
なんて次の日どころか数秒後におねだりされた。
⁉︎
え、マジ⁉︎
ちょっと恥ずかしそうな瀬伶菜がたまらなく可愛くて、オレはすぐさま瀬伶菜をまた抱きしめたのでありました。
ハグがこんなに心地よいものだって知らなかったと瀬伶菜は、オレに抱きしめられながらクスッと笑った。
ほんとだなってオレがいうと、瀬伶菜がオレにギュウ返しをしてくれた。
これは、もうごっこ遊びじゃなくない⁉︎
なんか…心が繋がっているって感じるのは、オレだけー⁉︎
続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます