第14話 せっ、狭!
仙人は自然と仙域を作り上げると言うけれど、どんなやるんだ?
厨二病的に「出でよ、我が世界!」と叫んでみた。
どうせ山の中、誰も見ていないから素っ裸で走り回ってもわかりゃしない。 恥ずかしい動作しても、叫び声上げて廻っても大丈夫なハズだ、たぶん?
叫びと同時に体の中から力が抜ける感覚がおきて目眩におそわれた。
そして自分の中にもう一人の自分が生まれた。
これが仙域?
もう一人の自分に意識を移すと、空虚な空間の中にいる感覚になる。
空間の大きさは一坪程度か?
ちっちゃ!
意識を戻す。
「ゲートオープン」と恰好を付けて叫んでみた!
眼の前に五十センチほどの丸い光る円が現れたが・・・?
このゲートじゃ大人の出入りは厳しい。
というより、何にもない空間に入ってどうするの?
仙域を拡張する方法は、一つは自分の霊力を高めること、もう一つは、周りの世界から物質を取り込むこと。
取り込んだ物質は、波動としてエネルギー吸収するもよし、仙域の礎として世界構築の材料にするもよし。
なんだけど、どの時空間の物質もその世界の神様や自然霊などの依代となっている場合が多く、勝手に出来ないんだよな・・・
地道に霊力増強の鍛錬を続けるしかないかな。
そう考えているところに、先ほど僕の周りを回ったあの光の玉が再び近づいてきた。
また、僕の周りをぐるりと回る。 どうも僕に興味があるようだ。
そういえば師匠の仙域には自然霊は存在しなかったな。師匠の講話の中でも聞いたことも無かった。
こいつを取り込んだらどうなるんだ?!
人間と違って冥界なんて準備する必要もないし、自然霊であっても魂魄だから仙域の礎にはなるんじゃないか? でも、師匠が何も言っていなかったってことは、毒にも薬にもならないのか? 逆に仙域の秩序がめちゃくちゃになるような猛毒だったりして?
で、遊んでみた
妖精捕獲大作戦 1
犬猫のように誘ってみた
右手でおいでおいでして体を低くして近づいてみたが、近づこうとする分後ろに下がり、優しく声をかけてみたが反応なし チャンチャン
妖精捕獲大作戦 2
餌付けしてみた
丁度、師匠の御殿でいただいたお菓子があったので、ポケットから取り出し、手の平に乗せて差し出してみた。
が・・・いや、なにこれ、メチャお菓子が光っている。師匠の世界産のせいか、これ
光にびっくりして逆に逃げて行ったではないか あ〜ぁ
妖精と遊んでいる僕に、家の玄関からばっちゃんが声をかけてきた。
「やっちゃんなにやってる?」
「妖精手懐けようと思って・・・」
「そら無理だわ、意思が通じないもの」
「やっぱり、そうなんだ」
「年季を積んだ自然霊は話が通じるんだけどね、あのクラスでは無理だわ」
ばっちゃんが続けて言った。
「私のとこから夕食持ってきたから、三人で食べよう」
「もう食べられないと思ってたばっちゃんのご飯、また食べられるんだ!」
僕は、もう妖精の事など忘れて家に飛び込んだ。
ばっちゃんのご飯、久しぶりのご飯
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