第20話 夢判断の書――1800年前の夢占い本

今回は、現存する最古の夢占い本を紹介しましょう!



『夢判断の書』

アルテミドロス (著), 城江 良和 (翻訳)

国文社 叢書アレクサンドリア図書館

1994/10/20



著者は、ローマで2世紀末に活躍したといわれる占い師、アルテミドロスさんです。

人々の夢を渉猟して、その夢解きと結果までを記しています。


ただ国文社は倒産し、アレクサンドリア図書館シリーズは希少本となっています。


でも大丈夫!

2023年に出たばかりの「古代ローマ人は皇帝の夢を見たか:アルテミドロス『夢判断の書』を読む 」著ピーター・トーネマン ‎ 白水社

がありますよ。



『夢判断の書』を読むと、古代ローマの生活って、めちゃくちゃ近代的ですよ。


既に市民社会が成立し、汚職はある、裁判はある、姦通はある……現代日本社会と何も変わらないです。


夢占いの方法も、洗練されています。

アルテミドロスは「同じ少年の夢を見たとしても、夢を見る人物によって解釈が変わる」と断言しています。


現代ユング派の夢分析と同じですね。


で、この本には「もし、青年が少年の夢を見たとしよう。……」と、堂々と書いてるんですよ。


おお、古代ギリシア。

現代日本とちがうのは、この点だけです。



カクヨム内にも夢占い師さんがおられます。初夢の夢解きを頼んでみよう!


夢占いしてみました 乙枯

https://kakuyomu.jp/works/16816452220713171066

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