第十七話 上司の色ボケで殺されそうです。
その丘陵から平地にかけて、北、西、南を北上川が身をくねらせながら南流してる。
「
「はい、今日の
「
それが
一人で
愛馬、
馬の速さ。
何より、
二つはあいまって、
一撃あたれば、敵はふっとび、舞い、なぎ倒されていく。
むしろ、強い。
蝦夷は、狩人。
弓、
子供の頃から狩りをし、戦い方を知っている。
対して、日本の兵は、
蝦夷一人と、日本の兵、一対一で戦ったら、簡単に日本の兵は負ける。
蝦夷一人に、日本兵、四人。
それぐらいで、釣り合うと、
ちなみに、
畑仕事をする
蝦夷対策の為、この地をずっと「鎮守」する専任の軍人であり、数は少なく、期限もない。
正確に言うと、手足を失い働けなくなるか、十年勤め上げ、相応の銭、米などを支払い、自ら辞めるかである。
平時なら、
だが、今は戦時。
戦いを専門とする
「うわ───!」
助けを求める悲鳴があがった。
ぶおん、と唸りながら勢いよく飛んだ大岩は、ちょうど
蝦夷は、潰れる者特有の音を身体から出しながら、倒れた。
「ほらよ。」
真っ青な顔で口をパクパクさせ、座りこんでいる
「危なかったな。戰えよ。」
と
(そういえばコイツ、医務室を外から
と思い出した。
「おまえ……。」
と言いかけるが、
「くそぅ、オレ一人でもやれたんだ、あんたなんかに、礼は言わねぇからな!」
「なんでだよ、言えよ。オレは
「おまえ今朝、花畑で、
あそこは兵士が朝通る道沿いじゃないか。見たんだぞ!
戦時中だってのに、いい目見やがって。くそぅ。」
嶋成は、くるっと
「礼なんか言うもんかぁ───ッ!」
戰場に叫びながら駆け去って消えた。
その一言が、
───触っても、
柔らかく笑う、天女のような
手をとり、引き寄せてしまった時の、
えもいわれぬ良い香りの……。
「あ。」
立ち尽くして、しばし
あわてて
三歩目で、勢いをつけた右の
敵は地に落ち、沈黙した。
「な───にやってるんですかぁ!」
背後から、
「すまねぇなあ。ありがとう。」
「色ボケは勘弁ですよ!」
「すまねぇ。」
平謝りの
群がる敵に、二つの
「な、な、なあ……。
あの
などと、色ボケまっしぐらの発言をしてしまう。
「あっ、危ねぇ! オレを殺す気ですか! たしかに綺麗な
「明日、また早朝、会う約束したんだ。
再度、
「阿呆な事を! だいたい、
「うっ……。」
「もう、斬首覚悟で正直に名乗り出ますか。
「できない……。どうすれば良いんだ───っ!」
(
年増とはいえ、あれだけの美女だ。
言いたくはないが、
仲間の兵士としてなら、おまえほど頼もしいヤツはいない。
でも、
おまえの恋は……。)
と、内心ため息をついた。
↓挿絵です。
https://kakuyomu.jp/users/moonpost18/news/16817330669125295677
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