花占い

 なんの花なのかは分からないが

 その花の種子を無理やりもぎとって、蓋を指で潰して開けて、中から種を出して占っては捨て去る


 他の、これもまた分からない花だが

 これから咲こうと、息づこうとしている真っ最中のその蕾を

 ちぎりとり、その指で硬い緑の物を取り去り、絹のような柔らかな花の色を確認しては捨て去る


 捨てられた花や種にはこれからの事はもうないのだろう。


 仲良さげに近づき友達のふりをし

 試されて、何かが違えば周りに噂は流れて晒されて

 バラバラにされて捨て去られる


 仲良さげに近づき無害と偽り

 体をあの花のように散らされる


 ただ生きているだけで、無残にも指でぶちっとちぎられる

 何をしたと言うのだろうか

 何をその人達にしたと言うのだろうか

 上を向いてその目には希望しか写っていない

 これから何をしていこうか、どこに遊びに行こうか

 どんな小さい事にも光を見出し世界を輝かせていた


 そんな潰され捨てられたあの子達は、あの人達は、また咲くことができるだろうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る